シルフィード!
ゆっくり更新します!
ごめんなさい、できるだけ頑張ります!
紅波が船に乗り込んで乗組員達から向けられた視線は冷やかなものだった
「船長、あんたが女好きなのは知ってるが、この大変な時に女を船に乗せるなんてどうかしちまったのかい?」
「こっちは風がなくて一刻も早く船出さねーとだってのに、」
カウーチェはゆっくりと紅波の肩に手をおいた
「彼女を乗せたのは私です、文句なら私が聞きます」
そんな中、紅波はどこまでも透き通った青空を見上げた
「…風」
そんな紅波を見ていたラズナーはありったけの声を張り上げた
「黙れお前ら!文句がある奴はこの船を降りろ!そしてこれから起こることを黙っておけないと思う奴も降りろ!僕は本気だ!覚悟が無い奴は降りろ!」
船に沈黙が流れる
誰も動こうとしないのを見届けると、ラズナーは紅波に笑顔をむけた
「では、やってくれるかい?」
ラズナーの言葉に紅波も笑顔を作った
「彼女に何をやらせるつもりですか?」
カウーチェが紅波の肩から手をはなし、ラズナーの横に並び紅波を見る
「これから、彼女は失礼なお前たちを黙らせるような凄いことをする!勇者の血縁者が伊達じゃないって所を見せつけてくれるよ!」
その言葉にカウーチェが驚いている気配を感じなからもラズナーは紅波から目をそらすことはなかった
風の魔法、この船の人に認めてもらうなら派手な方が良いかも知れない
紅波は頭にゲームや漫画で見たイメージを一気に組み上げる
紅波は両手を空につきだすと叫んだ
「風の精霊シルフィード!」
紅波の言葉とともに一陣の風
そして、緑色で透けている美しい女があらわれ紅波の回りをくるくる飛び回る
「シルフィーこの船をアッチの方向でマカイジュウに襲われてる船の所まで運んでほしいの、できる?」
シルフィードはコクコク頷くと紅波の頬にキスをした
「ラナ、帆をはって!」
「野郎共、今すぐ帆をはれ!」
オーっと乗組員達は叫び帆をはった
帆がはり終わると、シルフィードは帆に向かって手をかざす
帆がパンっと音をたてて風をうけるとモーターでも付いているかのように加速をはじめた
紅波は加速に足元がふらつきラズナーにささえられた
「ごめんね、船って始めて乗ったから」
「ありがとう紅波ちゃん、早速役に立ってもらっちゃって、みんなが失礼な事言ってごめんね」
紅波はそのままラズナーに寄りかかった
「気にしなくて良いよ、少しムカついたけどカウーチェさんと乗組員の皆がラナの事信頼してるから船を降りなかったってわかって、ちょっと見直したんだから」
(可愛い!もたれ掛かってるだけなのに…回りに人さえいなければ抱き締めるのに…)
ラズナーが後ろに手を回して良いのか考えているとカウーチェにクスクス笑われているのに気づいた
「言いたいことがあるなら言えよ」
カウーチェはことさら面白そうに口を開いた
「主がどれだけ、歌姫様を大事にしてらっしゃるか、よくわかりました…主がそれほどまでにヘタレでビビりだったとは正直ビックリです!ああ、良い意味でですよ!」
その言葉に紅波とラズナーは同じことを思った
ヘタレでビビりに良い意味なんてあるのか?
「「ドS」」
思わず二人はハモらずには要られなかった
ファンタジーにしたかった
なんか、中途半端でごめんなさい…