紅波の匂い!
休憩時間の間、紅波はラズナーに何度も口説かれていたが何も動じた様子もなくルピナスに出された賄い料理を食べていた
ライライトも気にした様子もなく料理を食べていたが内心気が気でなった
店に新たな客が入ってくる気配を感じて3人が振り返るとそこにはアシャティスがいた
「アシャティス君、どうしたのこんなところに来るなんて珍しいね」
「この店にはたまに来る、師匠が好きだった店だから」
アシャティスはライライトの隣に座ろうとしてその手を止めた
「アシャティスどうした?座らないのか?」
ライライトにそう言われたアシャティスだったが、ライライトの声が聞こえていないように見えた
「大丈夫かい?アシャティス君?」
ラズナーが声をかけても聞こえていないようだ
そして、ゆっくりと紅波の方を見るとゆっくり紅波に近づいて彼女の目の前に立った
「孫…気がつかなかった…」
紅波はなんとも言えぬ威圧感に逃げようと立ち上がったがアシャティスはそれを許さないように紅波の腕を掴むと自分の方へ引き寄せ抱きしめた
「お前、いい匂いがするな」
紅波は頭が働かずにフリーズした
「師匠の匂いに似てる、でも、師匠よりエロイ匂いがする…女だからか?」
耳元でアシャティスに囁かれくすぐったくて身をよじる
するとアシャティスは紅波の首筋に舌をはわした
「…ウギャ~~~~~~」
紅波が可愛くも何ともない声で叫ぶのと同時にアシャティスはライライトによって紅波から引き剥がされた
「すまん、おくれた」
ライライトがそう言ったが、紅波はそれどころじゃなかった
「こ、こいつ、ひっ人の首な、舐めやがった~ルピナスさん濡れタオル~」
アシャティスは悪びれる気配すらない
「お前が、旨そうな匂いをさせてるのが悪い」
紅波の目に殺意が浮かぶ
「ライライトさん、その変態殺して良いですよね!」
ライライトはアシャティスを捕まえたまま紅波から距離をとる
「クレハ、悪いが、アシャティスはかりにもウェンディネの事実上の当主だから殺す訳にはいかん」
紅波の目に更なる殺意が宿る
だがその前にラズナーがアシャティスに掴みかかりライライトから奪い取るとアシャティスの肩を揺さぶった
「君ってやつは、僕だってまだ抱き締めてもいないのに~」
肩と一緒に首もむち打ちになりそうなほど揺らされていたがアシャティスは普通に言った
「悪いが師匠のように何処かに行って帰ってこない者もいる、だから気に入ったら直ぐにアピールすると決めたんだ」
呆れ顔のライライトは紅波の方を見ると、すでに殺意ではなく怯えたような顔をしているのに気がついた
「クレハ、大丈夫か?」
ライライトの優しい声にクレハは目に涙をためて、ライライトに抱き付いた
「気持ち悪いよ~」
ライライトは少し驚いたが、優しく紅波の背中を撫でてやった
「クレハちゃん、僕の所においで!」
そんな二人を見たラズナーが手を広げた
「気持ち悪い」
だが、紅波の言葉にまたも傷つくことになったのだった
いよいよ、三大貴族大集結です!




