貴族とか無理!
アシャティスの名字変えます!
すみません。
ラズナーは暇があると『バーミリオン』に来るようになった
「ラズナーは何時来てもいるな」
昼御飯を食べに来たライライトにそう言われラズナーは初めてライライトが店に入ってきたのに気がついた
「やぁライライト君!仕方ないよ惚れてしまったからね」
ラズナーの言葉にライライトがフリーズする
「あれ?信じられないかい?でも、本当なんだよね、残念ながら…くそ無駄に可愛いな」
ラズナーは舞台の上で歌っている紅波を見つめながら呟いた
ライライトはラズナーから黒いオーラが出ている気がして舞台の紅波の方に目を向けると、紅波は笑顔で舞台の前にいる中年男性と手をつないでキャッキャしている
紅波はその手を優しく放して顔を上げるとライライトが居るのに気付いた
「ちょっと休憩するね!」
舞台の回りに来ていた客は笑顔で紅波を休憩に送り出した
紅波はライライトとラズナーのもとに行くと、迷うことなくライライトの横に座る
「クレハちゃん、僕の横においでよ!」
「えっ…面倒くさい」
紅波はライライトに笑顔を向ける
ライライトも動く気配のない紅波に少し安心する
ラズナーは仕方ないと言いたげに肩をすくめ、自分から紅波の横に異動する
ようは、ライライトとラズナーに挟まれる形で紅波は座る事になったのだ
「両手に花とはこの事ですかね?」
「なんだそれ?」
ライライトにきかれ、紅波はこの世界に無い言葉だと知る
「気にしないでください、一人言ですから」
花呼ばわりをライライトは嫌がるかも知れないと紅波は思った
「本当にクレハちゃんはライライト君と喋るときと僕と喋るときの差が激しいよね、嫉妬しちゃうな!」
ラズナーの言葉に紅波は笑顔で言った
「嫉妬深い男ほどイラナイもの無いな~!」
紅波の言葉で何度へこまされたら気がすむのだろう
完璧なヘタレキャラになりつつあるラズナーに優しい笑みを向けるといつものように頭を撫でる
「ラズナーさんは私の兄弟に似すぎで、ほっとけなくなっちゃうからもっとしっかりしてね」
その言葉にラズナーは、頭にのっていた紅波の手を掴んで優しく握る
「僕は恋愛対象にはなれないのかな?」
「なれないよ!その他大勢になりたくないし、ラズナーさんもライライトさんも貴族の中でもトップ3の貴族じゃん!たかが歌士と恋愛遊びなんてしてる暇無いでしょ!」
ライライトがとばっちりで傷ついているなど気づきもしないでウエストポーチから祖父の小説を取り出して紅波は続けた
「えっと、三大貴族であるミラルーシェ、メンディアレ、ウェンディネは貴族の中でも力が絶大だってじいちゃんが言ってた…貴族ってだけでもちょっと気が引けるのに貴族のトップ…無理」
紅波はまんべんの笑みをラズナーに向けた
ラズナーは少し呆然とするとテーブルに突っ伏した
「そこを何とか」
「うん、無理」
紅波の容赦ない言葉にラズナーだけでなくライライトも被弾していたがライライトは顔にそれを出すことはなかった
さぁどうなることやら、小悪魔紅波をどうするか?
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よろしくお願いします!




