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第5話 砂の採取と最初の試験

俺はオットー・ラングと共に、商会の手配した馬車に乗り込み、川の支流へと向かった。馬車には、採取した砂を運ぶための麻袋や、掘削に必要な道具が積み込まれている。


オットーは馬車の揺れに慣れた様子で座りながら、地図を広げた。


「マクシミリアン様、この川の支流では、昔からある程度の品質の砂が採れると言われています。ただ、どれほどの純度かは実際に試してみないと分かりません」


「なるほど。実際に採取して、精製できるか試すのが先ですね」


「ええ。また、砂の粒の大きさも重要です。細かすぎると溶融時に気泡が入りやすくなり、逆に粗すぎると溶けにくい」


俺は頷きながら、今回の目的を再確認した。


(まずは砂の採取、次に洗浄と選別。品質が良ければ、それを使って試験的にガラスを作る)


そうこうしているうちに、目的地の川辺に到着した。


ーーー砂の採取と選別ーーー


川辺に降り立つと、オットーが持参した道具を使い、早速砂を掘り始める。


「このあたりの砂は粒が揃っていて、比較的細かいですね」


俺も手に取ってみると、確かに市場で見たものよりも滑らかだった。ただ、見た目だけでは不純物の有無までは分からない。


「とにかく採取してみて、後で洗浄と選別をしてみましょう」


俺たちは麻袋に砂を詰め、馬車に積み込んだ。作業は順調に進み、予定していた量を確保できた。


「では、一度商会に戻って精製を試してみましょう」


ーーー初めての洗浄と試験ーーー


商会に戻り、さっそく砂の洗浄を開始する。


「まずは水を使って不純物を取り除きます。砂を木製の桶に入れて、水を加えてよくかき混ぜましょう」


オットーの指示のもと、俺も砂を洗浄する。水を捨てると、黒ずんだ粒が底に残った。


「やはり鉄分が混じっていますね。何度か繰り返せば、ある程度は除去できそうですが……」


「完全に取り除くには、さらに細かい作業が必要でしょうね」


洗浄を何度か繰り返し、最終的にかなり透明度の高い砂が残った。


「次は、この砂をルートヴィヒの工房で試験的に溶かしてみましょう」


ーーーガラス作りの第一歩ーーー


ルートヴィヒの工房に運び込んだ砂は、早速炉に投入された。


「さて、どれほどのガラスになるか……」


高温で溶ける砂は、徐々に液状になり、ガラスへと変化していく。


「おい坊主、なかなかいい砂じゃねえか」


ルートヴィヒが興味深そうに炉を覗き込みながら言った。


(ここからが本番だ。果たして、どれほどの透明度が得られるのか……)


次回、初めてのガラス成形へ!

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