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小説

海の向こうの僕ら

作者: 永井晴


海岸を歩く人たちが砂に 遠く長く足跡をつけてゆく

金色の穂をつけた枯れゆく草が 風の中で吹き飛ばされるのを待ってる


ーー見せてくれ、心の中にある光ーー


僕らは、突然に出会った。未だ出会わぬ人達の声を置き去りにして。

砂浜には、まだ誰もいなかった。その夕暮れはずっと僕らのことを待っていたようだった。

「すご!めっちゃきれい!」

君がそう言うと、風はこちらに吹いて来た。

「ほんと!すごい素敵な感じ」

「あーでも、まだ海には入れないよなあ」

僕は君の方を見た。無邪気な君が一層愛おしく見えた。

「冷たくなかったら入るつもりだった?」

「当たり前でしょ!」

僕は笑った。

海は凪っていて、波音も砂浜の上を滑った。僕らの足音も柔らかく鳴っていた。

「それにしても綺麗だねえ。誰もいないって、こんなにも素晴らしい時もあるんだなあ」

「ね。僕は久しぶりに来たけど、やっぱりここはきれい」

「え?君ここに来たことあったの?」

「一回だけね。それより何故誰もいないんだろう」

僕は辺りを見回してみたが、狭い渚に他の人影は見えない。

「でも誰もいないことなんて、すぐに忘れてしまいそう」

「ほんとにね。でもなんで僕は気がついたんだろう」

「まあ実際、他に誰もいないからなあ」

この入江は不思議な光を纏っていた。僕らの髪は風に揺れ、それでもやはり、ちょうど良く靡く輪郭に輝くのは僕らだった。

君の方から少し視線をずらすと、明暗を仕分ける僕の鼻先が見えた。それすらも、焦れったくて愛おしかった。

「……ねえ、海と空が繋がって見える」

と君は呟いた。水面に空が反射していた。水の深さと夕日の灯りが何処までも混ざっている。

「ほんとだ。夕暮れ時だからかな、それにしても綺麗だね」

「水平線って消えることもあるんだね」

「うん。なんか世界が狭くなった感じがする」

「あー確かに!」

僕はまた笑ってしまった。

「……てか、風はあるのに静かだね」

「それかも。なんか不思議だなあって思ってたんだよ」

それでも、この世界は僕らによく馴染んでいた。夕暮れはずっと入江に差し込み波を揺らして、砂の煌めきもあるというのに、綺麗な時間は止まっているようだった。

「……ねえ、ずっと夕暮れのままじゃない?さっきからこの辺」

「そうだよ?ここはいつでも夕暮れ。歩き続けてさえ入れば、ずっとそう」

そう言いながら、君はずっと海の方を見ていた。

「なんでか知ってるの?」

「いや、分かんない。でも何かの本に、小さな星ではずっと歩き続ければ夕暮れが沈まない、って書いてあったっけな」

僕もその本を知っている気がした。

「時が止まってるのに、僕らにはこうして光が見える」

「そうだなあ。多分さ、永遠みたいな感じだよ。止まるくらいに早い時間なんだよ、ここは」

止まるくらい早い時間……

少し間が空いてから僕が聞いた。

「もし止まったらどうなるの?」

「夜が来るとか?寒い夜。きっと海風が酷くて、辛いだろうね」

「あーでも、空が澄んでてさ、星が良く見えそう」

「……確かに!それは気づかなかったなあ。」

そう言って、君は僕の方を見た。僕らの笑顔が夕日に含羞むようで、嬉しかった。

「別に寒いだけじゃ無さそうだね。もし飽きちゃったら、夜に行ってもいいかもしれない」

僕は少し笑った。

「そしたらさ、夜ご飯でも探しに行かなくちゃ」

「そんなのいいよ。だって夜に行くんだもん。必要ないでしょ?」

「……まあ、嗜みって感じでさ。僕の好きな言葉にあるんだよ、散歩のための前菜って」

「いい言葉だね。そういうのならいいかも」

君の声は安らいでいて、そのまま風に乗るようだった。

「でも、生ハムとか、ソーセージとか、チーズとか、そういうのは要らない。」

ほら、やっぱり風に乗る。不思議。

「もっといいものがあるのにね」

「嗜みってそういう変なものじゃないよね。きっと」

君がまた僕の方を見ている気がした。海がそう教えてくれた気がした。

「朝ごはんのトーストとかはどう?あっさりしてるしさ」

僕には想像が出来ていた。君は少し考えてから答えた。

「……うーん、だいぶ良いね。悪くないって感じも含めて、良い感じ。星空のために、生きるために、って感じも良い感じ」

「分かるなあその感じ」

「チョコレートのスープなんかも良いかもね」

「チョコのスープかあ。見たことないけど、どんな味がするのかな」

僕がそう言うと、君は照れくさそうな顔をした。

「そりゃあもう甘くて、でもスイーツじゃないから、サラサラのスープとしてスプーンで掬うんだよ。決して余分なものでは無いんだ」

「へえ、素敵な前菜になりそう。やっぱりみんな繋がってるんだねえ」

でも、僕らはまだ足を休めるつもりはなかった。向こうの綺麗なグラデーションは、相変わらず僕らの頭上を越してこの世界を覆っている。

僕らは、上にまだ見えない星々を思い浮かべた。浅く眠れない世界の周りを飛ぶ、衛星の楕円軌道を思い浮かべた。200年のちょうど真ん中でまた会える、光の行方を思い浮かべた。夕べには、夜の想像しか出てこないようだった。


ーー人気のない渚、僕らだけに開ける空ーー


僕らは、もうずっと海と空の間を歩いている。そして美しい瞬間は眩しい光となって僕らを通り抜けてゆく。潮の香りがほのかに現実味を帯びているけど、僕らの世界は何処までも続くようにおもわれた。そういった矛盾については、僕が昔からずっと近くに感じていたもので、きっと特別ではない大切な何か、というものに酷く似るようでもあった。

世界の遥かにはパステルで塗られたような淡い階調が意味ありげに天頂までもを象り、すぐそこまで足音を近づけているのは美しい垢のついた鏡であるのだから、水平線を探すことすら僕らはすっかり忘れていた。それでも僕らは、二人を釘付けにするその光をとても信頼しているのだった。

夕陽の影に現を抜かすのは愚かさであっても、薄紅色の空を憐れむのは美しさであるはずだった。何よりこの世界には水平線なんて、初めから存在しないのだから。

ーー僕らは、もうずっと海と空を眺めている。

「やっぱりきれいだねえ。ここの景色は」

君は景色を眺めたままにそう言った。

「うん。いつまで見てても飽きやしないね」

僕は少し君の方を気にかけて言った。もしかしたら君の方も、

「うん、僕もそう思うんだけど、ほら、あっち」

「えっ?……あ、あれ桟橋?」

君の指した所には、大きな桟橋が海に目掛けてかかっている。

「そうかも。僕もここら辺までは来たことないから、あんまり分からないんだよ」

(あの煙。冬のゴミ処理場の、あの真っ白な排煙に似てる)

「それにしても大きいねえ。」

(あれは船の煙だろうか。でも変だな、あすこにはカッターばかりで、帆やらブームやらが沢山見えるいうのに。エンジンでもかけているのか?)

「ねえ。あれ、めちゃめちゃきれい」

と君は目の前に見とれながら言った。

「ね。なんか不思議な感じ。でも桟橋に比べたら小さい船が多いね」

「そうなの?」

「うん。もっと大きなクルーズ船なんかも停まれる所だと思うよ。ていうか大きすぎて、ここで船の乗り降りは出来なそうだけど」

「確かに。もはやただの橋みたい」

大きな橋は、凪る海を跨いで遥かな空に消えている。天国までの長い階段のようだった。

「なんかすごいスピードで近づいてない?」

僕は君に言われて気づいた。

「気づかなかった。少し寄り道してみない?」

「いいね。船も見たいし」

僕らは砂浜を曲がって桟橋のゆるやかな坂を登った。僕と君は、そこではきっと天使であった。そんな僕らを迎えたのは、開けた空に浮かぶ幾千万の風船だった。

「すごい!風船がたくさん!」

「すごい量!さっきは煙で見えなかったんだね」

「お祭りかな、こんなにも風船が。しかもみんな赤い。いったい誰がやったんだろう」

「紐はついてるみたいだし、誰かがやったんだろうな」

僕らは桟橋を登っていった。やがて船の煙に追いつくと、柵の方に引き寄せられた。

「わあ、すごい景色だ」

橋下に、船の群が見えた。

「真っ白かと思ったら、意外と下も見えるもんだね。こんなに沢山あるっていうのに、みんな揃って海の方を向いてる」

そう僕が言うと、君は少し笑ってすぐ近くの風船に触れた。

「そりゃあそうでしょ、船なんだから。それはそうと、この風船、近くで見るとこんなに赤いんだ」

すると遠くの一つが、空へと飛んでいった。

「あ、あすこ。一つ飛んでいったよ」

「ああ、ほんとだ」

それを見ると、君は少し悲しそうな顔をした。でも君は、

「でもきれいだね」

なんて言うからやっぱり君だ。風船は空を超えて、宇宙の果てまで昇ってゆくのだろう。その方向からは、長い汽笛も聞こえた。僕と君は耳をすまして遠くを見た。ほんとうは悲しい霧笛にも聞こえたのに。

「ああ、また一人出ていったよ。おいらも早く行きたいなあ」

そんな時、橋の下から声が聞こえた。船乗りの声だ。僕らは下を見た。橋桁の下には大量の切符やロープが浮かんでいた。

「変なものばかり浮いてるよ」

「あのう、すみません。あなたは何をしてるんですか?」

言ってしまってから、僕は少しどきどきした。それでもすぐに、船乗りは呼びかけに応えてくれた。

「ん?おいらかい?何って海に出る準備だよ。要らない荷物はみんな手放しちまうのさ」

「じゃあ、そこの切符とかもあなたの?」

「違うね。それは昔からのやつでさ、そこに溜まっていくんだよ。それにここの海は深い。大体のものは沈んでくから、こんなに船も集まるわけさ」

僕は一瞬、歩いて来た方を振り返った。遠く夕陽の輪郭が、遺った足跡の影を横目に揺した。藍色に染まりつつある周りの空にも気づいた。

「この辺りは夕陽が沈むんですか?」

「夕陽が沈む?何を言ってるんだい?」

「僕たちの歩いた所は、ずっと夕暮れだったんだ」

「はあ、よく分からんが、太陽はいつか沈む。でもあれは悪魔だねえ。あれはいつも私を生かそうとした。でも綺麗な陽の光だよ。ずっと見ていられるのに……太陽が沈まない所ねえ。そんな所にいたなんて、君たちは天使か何かなのかい?」

二人は目が合った。そして笑みが海に零れた。

「なんだよ」

「いや、なんでも」

少し間があってから、君はまた遠くを見て言った。

「でも確かに、なんでここは夕陽が沈むんだろう」

僕も遠くを見た。またちょうど、でも今度は随分と手前の方で、風船が一つ飛んでいくのが見えた。そして笛の音が響いた。

「短い霧笛の方が長く響くね」

「霧笛?良い言葉だね」

「そうだよね」

僕が景色に見とれている内に、君は船乗りに話しかけた。

「あなたはいつ出発出来そうなの?」

「そうだなあ。当分目処は立ってないなあ。」

「どうして?何か理由でもあるの?」

「これといって重要なものはないんだけど、荷物を捨てるのが厄介でね。こうやってずっと捨てようとするんだけど、気づいたら沢山持ってるんだよ」

「そうなんだ。じゃあ僕たちが手伝ってあげましょうか?」

そう僕は言ってみた。君も乗り気になっていたから。

「いや、それはダメなんだ。前に一回、この船に他人を乗せたんだけどね、おいらの大切なものも、何から何まで捨てちゃったんだよ。頑張って引き上げたけどもう駄目になっててさ。君たちを疑ってる訳じゃないんだけど、そういう経験があると何せ怖いもんでねえ」

「可哀想に。人にはそれぞれ大切なものがあるのにね」

と君は呟いた。

「そうね。それなら仕方ないよ」

と僕も言ってみたが、ここから見る限り船に積まれているのは、汚れたガラクタばかりだった。白い煙の中から、他の声も聞こえる。

(……スピードを上げて!)

(凪ってるんだ!おまけに、風もないよ!)

他の方からも、

(……カヌーは昇れる。四つ数えろ!)

(……みんな!水平線を目指せ!)

「なにをいってるのかな。水平線なんて何処にも見えないのに」

そう呟いた君はまだ、煙の向こうを見ているようだった。僕にも悲しいけど、そんな哀れなレガッタは続いてゆくように思えた。

少し静かになったから、僕は船乗りに話しかけた。

「まだ停まってるから、エンジンをつけてるんですか?」

「それもあるけど、ここには風が来ないんだ。帆を張っても進みはしない。でも海に出たら頼もしい風が運んでくれる。ここの連中には、何処からが海なのかなんて分かりゃしない。いつでも、いざって時に備えてるのさ」

「へえ、じゃあチャートも絨毯の下にあるの?」

僕は少し乗り出して、橋桁の足元を見た。柱の内側に黒い花が焦げ付いていた。

「そうだよ。よく知ってるね」

「そうでしょ。食べ物とかもちゃんとあるの?」

「そりゃあるさ」

「いいね。たしみながら、いきたいね」

「嗜みながら、海に出れたらいいのになあ。ああ、でも、そろそろ忙しくなりそうだから、お喋りはここまで。直に夜になる。君たちも浜に帰った方がいいよ」

「色々ありがとう。頑張って!」

「ありがとうございました!」

僕らは言われた通りに桟橋を戻った。もう月が輝くような宵になっていた。

もうすぐ砂浜に着くという時に、君が言った。

「面白そうだしさ、ちょっと走ってみない?」

僕もとっくにそういう気分でいた。でも言い方からして、君が何かを知っているように思えた。

「そりゃいいね」

と僕が言ってからというもの、景色は随分と速くなった。

僕と君は走れど走れど、息は切れず、膝も熱くなることを知らない。光る海岸を駅まで走った二人のような様子で砂浜を駆けた。次第に煙の白さも遠くに去っていって、何処からか夕陽も昇ってきた。

砂が煌めくのを認めてから、僕らは走るのをやめた。そして後ろを振り返りながら、また足跡をつけていった。

「ああ、ぽつぽつと船が出ていくよ」

と、君は言いながら小さくなった桟橋の方を眺めた。

「あのはやい船の波は綺麗だね」

君が続けてから、遠くて波なんか見えてなかったのに、白い飛沫の進んでゆくのが見えるようになっていた。

「はやいから綺麗なのかなあ」

「あ、でもあれ……はやいけれど綺麗じゃない」

「そうだね。あれはきっと、あの船だからなんだよ」

「ほんとだ。あれはほんとに綺麗な加速度を持ってたんだね。気ままだねえ」


ーー遠くまで行く、昇る夕日背にうけてーー


空の遠くに銀河の海を見る頃は、僕らはずっと枯れた涙を追ってゆく。境目は消えて、僕らは先を迎えに行く。みんなには未だ見えない所。いつかは訪ねるはずの場所。

夕暮れに月は白く、静かに方位を標しては、海に泣いてる漣の、濡らした砂を見ないふり。僕らもきっと行けるはず。心の中に満ちた隙。

夢の欠落。記憶の欠落。遺ったグラス胸に抱えて。長い夜が過ぎる。踊り明かす僕を、忘れ得ぬのは一体どうして。

逆さまに進む。逆さまに昇る。僕らは全てを持ってゆくのかな。全てを還す波の渦。イメージの中に棲む渚。

ーー儚い永遠は続く。

「ねえ、僕らも海に出た方がいいかな」

君は海を見ながら言った。船のない海が戻っていた。

「いいんじゃない?焦らなくても。ぱっ!とするような舟があったら、二人で行こうよ」

「そんなもの、一体あるのかなあ」

「きっとあるよ。このビーチもここにあったし、僕たちはもう舟を見つけるだけなんだから」

「それもそうだ。急いでたら、見逃しちゃうかもだしね」

僕は頷いて、続く砂浜を見通した。

海は思っていたより、ずっと広く世界を覆っていた。大きな入江はどんどん広がってゆくようだった。

「それにしても、随分と歩いた気がするねえ」

「言われてみれば確かに。でも、全然短く感じるね」

「うん、夢みたいだ」

そう言って僕は空を見上げた。深い青が、天頂から海の遠くへ滴っていた。空の蕾はちょうど、花を開くか閉じるかの、愛らしい瞬間を留めている。そして僕はその手前に、細くたなびく白い雲を認めて、思わず言った。

「見て。空がきれいだよ」

「え?」

と言った君も、ワクワクしながら空を見上げた。

「おお!確かに。あ、でも雲があるから、ダメだよ」

「まあ、いいじゃん」

僕はそう言って、キラキラした目で空を見た。君と一緒に。

「こうやって、微笑みながら舟に乗れたらな」

「そうだね。でも、僕ら一緒の船には乗れるのかな」

そうは言ってみても、多分僕も君も、分かっていたことなのに。

「そうだね……きっと沖の汐は強いから」

「でも、行かなくちゃだもんね」

「うん。それでも僕らの舟はあんなに乱暴じゃないよ。みんなが僕らを呼んでも、キスを投げても、届かないほどに昇る舟だよ。この空気を押し出して空へ出るんだ。良候!なんて言って」

そう言って君はオールを漕ぐ振りをした。この世界の空気は、水素よりも軽く、透き通って見えた。

「ははは!僕、今にも飛べそうな気分だよ!この軽さ!捨てる捨てないなんてのは、性分だよ。分かった調子が面白いよ」

君は軽く砂を手に取って、それを見上げながら言った。

「ははは!そうだ!朝が来る頃には、みんな僕らを探すだろうなあ」

続いて、僕も砂を手に取る。

「ははは!みんなピント外れに悔やむだろうなあ」

二人の笑い声が響き、きれいな砂が二人の指を零れた。きらめく砂地が目の前に続いていた。


ーー遥かな栄光グローリーへ!ーー


ああ、空は青く。街はもうずっと立ち枯れているのに。

みんなの声が聞こえる。恐ろしいほどに健気な様子で走っているのが浮かんでくる。校庭も狭くなったなあ。みんなは何処に走っているんだろう。

僕はまた君と会えるのかな。もし会えなくてもきっと、あの遍く波音はずっと聞こえるだろうと思える。

足音がする……誰か来たようだ。ああ、狭い空だなあ。ほんとうの空はあんなにも広かったのに。


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