狂気愛
ちょっとエロ入ります。ちょっと狂気入ります。
ご注意くださいm(__)m
書いといてなんですが、純な方は見ないことをオススメします
平凡だった日々が、懐かしい。
「起きろ。」
男の、冷たく低い声が私の耳を掠める。その声に体中が反応して、私の目をはっきりと開けさせた。そして、反射的に男に背中を向けてしまった。
「おい。何してんだよ。」
男は、さっきよりも冷たく言った。その言葉が、妙に私の耳に残そうとするから、耳にこびりついたようにそれがこだました。とてつもない恐怖に襲われて身震いする。
「や…ごめんなさ…」
許しを請うて貰おうと、懇願する。しかし、私につけられた首輪を思いっきり引っ張った。苦しくて、嗚咽した。そんな私に構うことなく、男は私の頬を指で優しくなぞった。
「なぁ。俺が怖いか?」
そう言われて少し戸惑うが、小さく頷いてみせる。何かされる、と構えていたが、男はそんな素振りを見せない。
「俺が…キライ?」
今度は、凄く悲しそうな顔。どうして、そんな顔をするのか。私には皆目見当もつかなかった。嫌っているのは、貴方じゃないか。夜学校に呼び出して、プールまで連れて行かれて。「好きなんだ」そう言ったくせに、貴方は私をプールに突き落とした。上がろうとする私を、なおも水中においやって。…気がつけば、貴方の家で首輪を繋がれてた。手錠をかけられ、自由なのは足だけだった。こんなこと、初めて。否、体験する人なんてそうそういないだろうけど…
これが、監禁と呼ばれるものだろうか。
「…キラ、イ。」
視界が涙で滲む中、嗚咽しながらもようやく言葉を発した。その言葉に、貴方はやっぱり悲しそうな顔をする。何故?私のことが、本当に好きだから?でも、だとしたらこんなの…
「でも、俺は好きなんだ。」
そう言って、私に深くキスをする。それと同時に、貴方は再び首輪を引っ張る。
「うんんっ!ぐっ…」
苦しい。けど、止めてもらえない。遠慮なくポロポロと落ちる涙にも気づいてくれない。否、気づいているけど、知らないフリをしているだけだろうか。
「…はぁっ…はぁっ…」
やっと離してもらえた唇と、首輪を引っ張っていた手。そして、目の前にいる貴方を見上げる。そこにあったのは、切なそうな貴方の顔。益々、意味が分からない。
「なぁ、どうやったら俺のこと好きになってくれる?」
そう言いながら、私の服の中に手を浸入させる貴方。私は一生懸命否定したけど、あなたは止めてくれるどころか刺激を与えてくる。やめて、と言っているのに、貴方は私の体を弄るばかりだ。こうすれば、私が悦ぶとでも思っているのだろうか。それなら、絶対に声なんて出してやらない。
「…なんで、声我慢するの?」
逆効果だったのだろうか。貴方は、さっきよりも沢山快感を与えようとする。私は、思わず出そうになる声を懸命に我慢し、この行為が終わるのを必死に耐えた。
「は…?なんで、何も言ってくれないの?首振るだけじゃ分かんない」
貴方の目は、やがて狂気じみたものになってくる。怖かった。反射的に、殺される、と身構えした。けど、「ヤメテ」と言ってしまったら、貴方からの刺激に応えてしまいそうだった。そんなの、嫌だ。私はこんなにも苦しんでいるのに。貴方だけいい思いをするなんて、許せない。
「なんとか言えよっ!」
貴方は行為を止め、私の髪を引っ張った。
「やぁっ…痛い!」
そこでやっと出た、私の否定の言葉。私の声に、貴方は嬉しそうな顔をした。
「そっか。お前は、気持ちいいことよりも痛いことの方が声を出すんだね。」
狂気?否、狂喜。目が凄く嬉しそう。貴方は不気味に笑いをこぼし、私の首を絞めた。
「うぐっ…!!」
苦しくて、堪らなかった。今度こそ、本当に殺される。
貴方は、狂っている。
「俺は…殺したい程お前を愛してるよ。」
そう言って、更に力を強める。駄目だ、目の前がくらくらしてきた…
「…好きだよ。愛してる。」
もう一度、悲しそうにそう微笑む。それと同時に、首への圧迫感がなくなった。
「…ゲホッ!ゲホッ、ううっ…!」
この苦しさと涙は、止まることを知らないようだ。そんなことはお構いなしに、私をそっと抱きしめる。
「俺の傍に、いて…」
小さく震えながら、私に懇願する貴方はとても幼く見えた。そのまま、私の手錠と首輪を外す。手首には、抵抗した証が憎らしくもくっきりとついていた。
「私も…好きだよ」
突然の言葉に、貴方は驚いたように顔をあげた。私は貴方に優しく微笑みかける。貴方は私に微笑み返した。
けど、それも束の間。
「いっ…」
手錠や首輪を外してくれてありがとう。これで、私もあなたを殺すことが出来る。そうして、私の手に握られた花瓶には血が滴り落ちていた。目の前には、じっと動かない貴方。くの字に体を折り曲げ、床に横たわっている。頭を強く打ち付け、血を流している。そんな貴方に、私は口付ける。
「大好き…殺したい程に」
そして私は、いつも持ち歩いていたクスリを飲んだ。そして、貴方と向かい合って、倒れこんだ。
両手で山盛りになるほどの睡眠薬を飲むのは大変だったけど…私、貴方をこの手で殺せて幸せよ。
*
一ヵ月後。貴方は、通報者によって奇跡的に助かったようだ。けど、貴方の部屋から見つかった首輪や手錠のことで警察に事情聴取されてしまい、貴方はあっけなく真実を口にした。
馬鹿ね、貴方って人は。黙っていれば良かったのに。それこそ、そういうのが趣味だって言っちゃえば良かったのに。
でも、これで貴方は一生私を忘れないね。
永遠に愛してる…肉体のない今でも、殺したい程に
書いたのは私ですが、肩が痛い。
うーん、書かなきゃよかった。私は一体何がしたかったのやら…
まぁ、一応ホラーなので