第01話 日常についてと回想
突然ではあるが「日常」というのは何でできているか?
という問いについてどう答えるだろうか
例えば朝すぐに起きてご飯を食べずに学校や会社に向かう準備をすること?
「いや、あくまでそれは一部じゃろう。日常の、しかも若者の」
ならば、学校で昨日みたドラマについて語りあったり、部活の先輩がかっこいいなんていう他愛ない友達の話を聞くこと?
「それも一部じゃろう、というかお主友だちいたんじゃな」
・・・またしても当然のように自問に被せられる特徴的な否定の言葉。(そして心無い言葉)このツッコミを入れてくる声の主は質問を投げかけた直後にこう言っていた。
多くの日常とちょっとの非日常的なモノで出来ている。と
だとしても、だとしてもくだらないコトかもしれないが私としてはこの口調にはのじゃ口調には、やはり慣れない、
これこそ非日常的なモノだ。
というか、友達いたんじゃなとはなんだ、それなりにはいたというのにというのに多分
「多分ってなんじゃ多分って」
…またナチュラルに心を読まれたし、それ以外の言動もあまりにも不躾だ。
そうした抗議の意思を込めながらその 「非日常」的の元凶とも言える相手に、嘲っているような視線を向けてくる幼女に目を向ける。
緑色の宝石のような目、黄金色の髪は絹糸のように綺麗で手触りが良さそうだ。
顔立ちとしては鼻筋も通っているし、目も吊り目がちではあるがくっきりしているからなのかとても凛々しい印象であ「やめい、やめい、、いつまで儂の容姿なんぞに頭を使ってあるんじゃ!!今のお主には他に集中せねばならぬことがあるじゃろう!」
・・確かにそうだ、少し。少しだけ不服ではあるが今は目の前の凛々しいワシワシデリカシーなし背丈小学生ロリ「ゴホン」・・・素晴らしい淑女に気を取られている場合ではないのかもしれない。
いやというよりこの娘何度も何食わぬ顔で私の心を読んでくる。
ちょっと、いやかなり怖い、怖いけど
彼女の言った他について考えるべきだ
「例えば」
曖昧な言動にいらだったのか目の前の金髪幼女が先を促すように言葉を発した。
しっかりと聞こえているから待ってほしい
そう言葉で伝えてもどうやら信用されていないことは彼女の怪訝な表情を見てわかった。ロリなんて言うから拗ねてしまったのだろうか、
いや今は意識を総動員しなければならないことがあるのだった
例えばそう、
今、目の前にいる魔女を名乗っていた金髪翠眼の少女に「小さい手」ではありえない力で絞められている自分の首の心配とか....
◼️
なぜこんな事になっているのかわからないだろう。
当然だ、だからこそ今からの話は回想という事になる。
私がどうしてかような金髪幼女に、
首を絞められる事になるのか
そもそも魔女というのはなんなのか
そしてありえないとまで言える力で首を絞められながら、どうして平然と意識をはっきり保ち、かつ言葉で伝えるなんてことが出来たのか
その理由と過程について…
⬜︎
回想とは言ったが、自己紹介がまだだったな。
それに一人語りばかりしてしまった、それについての謝意も込めて(こういう口調では謝罪も軽く見えるかもしれないが)皆さん初めまして
私の名前はシア
そういえばあだ名か名字をカタカナで表現しているだけだろうと思うかもしれないが正真正銘名前である
つまり 「山本 太郎」 の「太郎」の部分というわけだ
もう察しているかもしれないが両親は私を捨てていたらしい。
なぜそこで点がつくのか、らしいとはなんだ。と思うかもしれない、その理由としては至極単純。
物心つく前に捨てられたからだ。
捨てられていたのは寺院の前。
初めはそこで育てられる予定ではあったが霊感があると言う住職さんの反対とその他の複雑な理由とかなんやかんやでもっとも近くにあった教会・・と併設された孤児院に預けられる事になったと聞いている。
シアという私の名前はその孤児院から取らせて頂いたものだ。
(当然許可は頂いている。)
・・だからそれなりに思い入れがある名前ではあるのだが、それを話していたら4話ほど使わなければいかないのでまた今度にさせて欲しい。皆さんにはそれよりも気になっている事があるだろう、例えば性別とか。
時間もないし単刀直入に言わせてもらおう。
私は女だ
え、聞こえなかったって、ならばもう一度言わせて貰おう。
私は女だ。
しかも高校生
つまりJKというやつである
「何を言っているシア、口調からして男だろう。加えてからかっていた幼女に首を絞められているでは無いか」
・・・・と大方の人は思っているかもしれない
それはそうと繰り返させていただくが私は正真正銘の女だ。
あまり大声で言うべきでは無いが高校二年生だけあって胸だって人並みには育っている。
あと安心してほしいが顔はいい方だ。
多分クラスで一番か二番くらいだろう。最低でもそれくらいの自信はある。
・・・そんなある意味平凡な私がどうして「魔女」なんていう、明らかに浮世離れしたもの出くわす羽目になったのか、
一体何があったのか、について、話させていただく。
⬜︎
あれは、去年の夏頃だったと思う。
茹だるような暑さだった。
皮膚が干からびてしまうかましれないと思うような夏……
では無くそれなりに平年の程よい暖かさを感じさせるような外で遊んだり部活動に勤しめるような丁度いい夏だった。ついでにいうなら去年でもなく今年の昨日か。
そんないい季節に私は何をしていたのか、気になっているかもしれないから答えさせて頂こう。
そんなに身構えなくとも答えは単純、高校生にとって小遣い稼ぎやオシャレに使うお金の資金源でもあるバイトである。
その理由としては、お金がないというまたしても単純な理由だ。