トヤさん、秋田に行く
トヤさんは秋田に来ました。
「秋田と言えば、有名なものは何か分かるか?」
「お米かな?きりたんぽとかもおいしそうだね。食べた事無かったから少し楽しみだったりして、きりたんぽ」
トヤさんは「甘いな」と言って人差し指を振る。
「秋田にはな・・・」
「秋田には?」
「・・・うちのおじさんがおんねん」
「・・・トヤさんのおじさんって有名人なの?」
「いんや。普通のおっちゃんや」
話の筋が通らないのはいつもの事である。
気にしていたら始まらない。
「それでそのおじさんにこれから会いに行くの?」
「そうや。それでおじさんにいっぱい御馳走してもらうねん」
結局御馳走目当てなのね、トヤさん。
「それじゃあ、もうそのおじさんと連絡取っているんだね」
「んにゃ。とってへんで」
「もし留守だったら、どうするの?」
「それは大丈夫や。ちゃんとテレパシー送っとくから。今からいくで~、おじさ~ん」
トヤさんは両手を前に出して、指をゆらゆらと上下させている。
その後、トヤさんと一緒におじさんの家に行ったら、普通に歓迎されて、御馳走も出て来た。
おじさんによるともうすぐトヤさんが来る気配がしたと言うのだ。
・・・
テレパシーってすごいね。もう突っ込む気にもなれないよ。