ガンマンの悪魔
守る為に祓魔課へ所属していた小鳥遊蓮司は思い出していた。悪魔に関してのことを。先ず悪魔はS級からE級までのランクがある、だが稀に規則外の悪魔が存在するそれが魔王だ。よくRPGで在り来りなラスボスだ。勇者に倒されるのが一般的だ…だがもしその勇者がいなかったら?そのためのS級だと聞かされる。S級の強さはミサイルを使わないといけないレベルとのこと。対抗策としてランク制度を取りランク分けにしているのだとか。先生からよく聞かされていたS級にあったらすぐ逃げろと。
「おーい起きろー。」
「……あれ…ここは…」
起き上がるとそこは別の場所、ベッドの上だった。驚きのあまりベッドから落ちるがすぐ立ち上がる。呆れながら教えてくれた。
「俺らのアジト。よーこそ新入り。」
「し、新入り?!」
「うちの大将が決めたことだしなぁ。」
なんだこのチャラ男イケメンはと驚いていると頭を撫でてくる。
「japanese demon(ジャパニーズ悪魔)は細かいこと気にするなー。」
「……悪魔?」
「そうお前悪魔。」
「嘘だ。」
「信じられないのなら鏡見てみろよ。」
慌てて立て掛けてある鏡を見ると映っていたのはかなりのイケメンであった。モブ顔からどうしてこうなった!と驚きの連続で腰が抜けその場に膝から崩れ落ちてしまう。
「いや驚き過ぎだろ。いやー俺ほどではないがかなりのイケメン…!これは誰かって分からないなー。」
「な、何で。」
「言ったろ悪魔になったからって。リオ改めて自己紹介する。俺はガンマンの悪魔ジョンだ。」
「……そのガンマンの悪魔が俺になにか用?というかリオってなに。」
「俺らのボスが付けた名前大切にしろよ。」
「か、勝手に!」
「なにお前、他の魔王に操られたい訳?」
「……どういうこと。」
「真名を明かされてしまうと…だ。操られてしまう恐れがある。元人間なら尚のこと。」
「操る?弱い俺を?」
「悪魔喰いって知ってっか。」
「知らない。」
「まっそうだよな伝説上の存在だからなー。」
「悪魔喰いがどうかした。」
「よく聞いてくれました!簡単に言うとだ。悪魔喰いってぇのはその名の通り悪魔を喰らう存在だ他の悪魔から恐れられたかつての魔王!」
「……嘘。」
「嘘じゃねぇよ。」
「なんで、なんで俺が?」
「大将が言うには先祖返りらしいけど。」
「先祖返り…?」
「そっ、あっ水飲む?」
「いらない。」
「なんか飯とか食わないといけないぞお前。」
「人は食べない!」
「いやいや悪魔は人食わねぇから。それより美味い飯があるし。」
「……へ?」
「人間って雑食だろ?不味いに決まってるじゃん。食うとしたらその悪魔は偏食家。ほんと迷惑。そいつのせいでこっちのイメージガタ落ちだっての。」
「……俺の聞いた話と違う。」
「ほーどんな話?」
「悪魔は人を食らう化け物だって。」
「ハッハッハ!なんだその偏見!」
「でも実際被害が!」
「そいつら…大体はぐれだぜ?」
「はぐれ…?ま、魔王の仕業じゃなくて?」
「全然違うし。どう判断してそうなってる訳。」
聞いていた話と全然違うと益々混乱していた。呆れた顔で見てくるジョンに質問する。
「本当にそうなら…証拠見せて。」
「はい資料。これ見て納得しろ後は自分の目で見ろ以上。」
「……こんなに。」
「大将に言われたからやっただけだ感謝しろよー。」
小鳥遊蓮司はいやリオは資料を細かく見たそして理解した悪魔とは人間の罪から生まれた存在なのだと。人間を食べることは決してない。はぐれ悪魔が人間界に現れ暴れていること悪魔の被害の殆どははぐれ悪魔だということ。組織的な悪魔は決して人間には手を出さないのだと。全て書かれてあった。
「……あのジョンさん。」
「なんだリオ。」
「他の悪魔って見れますか?」
「着いてこい。」
そういって連れてこられた場所は裏市、人間界である地上の真下にある場所だ。
「……本当に悪魔が…」
「いらっしゃいー!新鮮な野菜があるよ!」
「新鮮な獣肉はどうだい!結構美味いぞ!」
「……俺は…なにを見ていたんだ。」
「……納得してくれたか。」
「ごめんなさい。誤解してました。」
「別にいいんだよ。はぐれ悪魔は駆逐しないといけないしな。」
「……田中さんは…」
「あの人間なら生きてるぜ?ピンピンしてる。」
「良かった…」
「ただお前を守れなかったって泣いてた。」
「……田中さんごめんなさい。」
「お前が謝ることじゃねぇだろ。」
「え、あっごめんなさい!」
「謝んな…あーめんどくせぇ…」
「あのジョンさん。」
「ん?」
「裏市回っていいですか?」
「金は?」
「通貨違うんですか?」
「ここじゃ円じゃなくデビっていう通貨が使用されているんだぜ?」
「ほえー。」
「覚えておけよー。デビも円同様価値変動するんだからさ。」
「え、マジですか!」
「大マジ。人間界だってそうだろうが。」
「それは気をつけないと…」
「うちの領土は戦争とかする気ないしまあ大丈夫だろ。」
「うちの領土?」
「あれ言ってなかったけ。ここうちの…うちの大将ウルフの領土なんだぜ。ちなみにランクは魔王。」
「え、えぇぇぇぇ!!!」
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