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守霊界変  作者: クロガネガイ
第一部
72/145

雷鳴と共に

「ケント君!ケント君!」「英雄エロイケント!しっかりしてください」


 誰かが俺を呼んでいる。俺は~一体どうなったんだ?猛虎もうこにあって新たな力を手に入れてそんで皆のもとへと戻ってこれたのか?


「おい!ケントしっかりしやがれ!」


「はいっ!あ、あれ…ここは~」


「敵との戦闘中に気を失うバカがどこにいやがる。さっさと起きてお前も戦えっての!」


「ベリル、そんなこと言わないよ。すこし前まで生死の境を彷徨っていたんだから…でも、意識を取り戻してくれてよかったよ」


「そうですね。致命傷に及んでいなかったのが良かったのかもしれませんね」


「ガリズマさん、ミヤさん治療ありがとうございます」


「うん」「別に構いませんよ」


 俺が猛虎もうこと対談してる時、二人は大きな傷をおった俺を一生懸命治療してくれてたらしい。それがなければ技を授かってもこうして目覚めることはなかったのだろう。俺が倒れてからドルフィネが怒り任せに暴れ始めたとのことだった。それをルシウスさんとラーシャルドさんの二人がかりでどうにか抑え込んでいる状況だった。俺が受けた傷はドルフィネを庇い傷をおったマリィという少女によるものだったらしい。ドルフィネの怒号とともにその姿を変え異形のそれとして暴れだしたとのことだった。今はベリルさんがそいつの気を引いてくれている。


「ベリルさん、今行きます」


「はやくしろって!あ~もう、腕がこんなんじゃなけりゃ俺一人でどうにかなるってのによぉ~最悪だぜ」


 悪態をつきつつも敵の一手一手を丁寧に避けるベリルさんは流石俺の師匠といったところだろうか。怪我をしていてもその洗練された身のこなしは健在らしい。


魂命浸食ディア・ボロスよ。我が元にもどるがいい」


 ドルフィネが何か叫んだ。それを聞いた異形は一瞬動きを止め、直ぐ様ドルフィネのもとへと移動を開始していた。


魂命浸食ディア・ボロスよ、お遊びはそこまでだ。お前を傷付けた奴が目覚めたようだぞ。報復としてその全てを蹂躙せよ!」


 ウガァァァァァァアアアアアアア


 咆哮とともに一直線に俺の元へと迫り来る。隣にはまだガリズマさんとミヤさんがいる。二人とも近接職ではなく後衛支援職で接近戦は苦手なはずだ。あれだけの速度で突進されたらひとたまりもない。なら…


「二人とも黙って掴まっててくださいね」


「え、ケント君?」「何をするつもりですか?」


 今こそあの技を試すとき!まずは全身に電気を帯びるイメージで…


 バチチッ


 猛虎もうこの力なのか全身に電気を帯ることができるようになったらしい。原理は不明だが異世界ならではってことにしておこう。髪も逆立ち周囲にはバチッバチッと小さな火花が散っている。ふと思ったのだがこれって俺以外の人に感電とかしないのだろうか?う~ん、わからねぇや。今はとにかく二人を連れて一旦異形の突進を回避しないとな。多少の痺れは我慢してくださいよ、二人とも!


「すいません。行きます!壱虎イーフー!」


 ガリズマさんとミヤさんを掴み虎紋瞬光ドライブLv1を発動する。


 瞬時にその場から消え去りすこしはなれたところに現れる。異形はその勢いのままその場に残してきた黒と黄色の縞模様の残像に向かって突進していた。ベリルさんはあたりを見回し、唐突に消えた俺たちな行方を探しているようだった。


「小賢しい真似を…魂命浸食ディア・ボロス、あっちだやれ!」


 ドルフィネの命令に従い方向転換して異形がまた突進してくる。そんな単調な動きじゃ無理があるんじゃないか?と思いつつ虎紋瞬光ドライブLv1 壱虎イーフーで回避していく。


「おいおいケント、俺の真似っことはいい度胸してんじゃなぇか。いつの間に盗み覚えたんだよ!」


 壱虎イーフーを見ながらベリルさんが何か言っている。瞬間移動による風圧で何て言っているかわからないがその様子からなにやら感心しているような驚いているようななんかよく分からない感じだった。それにしてもこの異形、一撃が当たれば致命傷なのだろうが壱虎イーフーの速さがあればそう簡単に当たることはないな。なら警戒すべきはドルフィネに絞られる。奴の魂を強引に奪う技は詠唱を妨害しない限り負け確となる。十分注意しないとな。


「ええい、ちょこまかと五月蝿い奴目!もう良い、その魂に価値なくとも奪ってやろう。なぁに適した肉に宿してこき使ってやる」


 まずい、遂にドルフィネがあの技を出すつもりらしい。とにかく詠唱の妨害はしなければならない。他に何か隠しているかもしれないからそれにも気を配らないとな。


ダイイング…」


「やらせるかよ!虎紋瞬光ドライブLv2 双虎リャンフー、加速して貫け!虎撃連舞フーランペイジ!!」


 直ぐ様虎紋瞬光ドライブのギアレベルをあげドルフィネに向かって虎撃連舞フーランペイジを放つ。斬撃に電気を帯びているそれは放つとほぼ同時にドルフィネに命中していた。


「うぎゃぁあああ」


 斬撃による傷は見受けられなかったがそれなりにダメージを与えられたらしい。感電しているのか時折バチッバチッっとそのからだから火花が散っている。何より詠唱を妨害できたのがデカイ、あれさえなければ数の多いこちらが時期に優勢となるだろうからな。

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