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守霊界変  作者: クロガネガイ
第一部
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監視者の正体

 ギルドホームへ戻ると何か違和感を感じた。別に荒らされていたって訳ではないけど何かが足りないって感じ…


「ケント君、どうかしたかい?」


「なんか違和感を感じるんですよね…」


「違和感?何か無くなっているとかそんなのかい」


「うーん、それがわかんないですけど…」


「とりあえず、自分の部屋に戻って出発の準備をしようか。その違和感も別のことをしていたら気づくかもしれないし、ただの気のせいかもしれないし、優先順位的にはクエストの準備、わかったかい」


「はい、それは大丈夫です」


 ガリズマさんの言う通りかもな~まずはクエストに向けて準備を済ませないといけない。


「オイ、ケント!こいつがなんでここにいるんだよ」


「え?!なんですか、ベリルさん」


 ベリルさんの部屋から俺を呼ぶ声が聞こえた。何かあったらしい。


「ベリルさん、どうかしましたか…あ」


「どうかしましたかじゃねぇよ。はやくこいつを引っぺがせって」


 ベリルさんの部屋に行くとベリルさんの頭に乗っかった丸いモフモフがいた。あれ…俺の部屋でお留守番させていたはずなのになんでここにいるんだ?


「おい、トーナ。こっちおいで」


 ベリルさんの頭からずり落ちて顔にしがみついている真ん丸をやや強引に引きはがす。


 キュ~


 なにやら少し抵抗をしているように見えたがベリルさんの邪魔になるので俺の部屋にいてもらおう。


「ったく、なんなんだよあのちっこいのは」


「すいません、なんか俺の部屋からでちゃってたみたいで…」


「ベリル、ケント君、どうかしたのかい」


 騒ぎが気になったのかガリズマさんとラーシャルドさんもベリルさんの部屋に集まった。


「え、いや~トーナが勝手にベリルさんの部屋に入っていたみたいなんですよね」


「トーナちゃんが?あ~そういえばギルド会談にも連れてきてたみたいだよね~おとなしかったから問題なかったね」


「え!?トーナもあそこにいたんですか?」


「うん、ラーシャルドの肩にちょこんと座っていて可愛らしかったよ」


「え、ラーシャルドさんそうなんですか」


「ああ」


 トーナのやつ、いつの間についてきたんだ…ん、そういやギルドホールに向かう途中に感じた視線ってもしかして…


「ガリズマさん、ラーシャルドさん、もしかしてトーナってずっと俺の事みてたりしてました?」


「あ、そうだね。じーっと見てたかも」


「あ…そうなんですね」


 うん、なんだろうか。自意識過剰と思っていたのはただの気のせいで普通に見られていたと…トーナから…そういえばトリスターナって生き物は気に入った対象から離れないっていってたな。なるほど、おいていったつもりでもどうにかこうにかついてくるんだね。勝手について来られるのも怖いし、これからはしっかりと連れて行こう。


「みんな準備はいいかい?」


「大丈夫でーす」「早く行こうぜ~」「ああ」


「ギルド【血の番人ブラッドウォーデン】とは混迷樹の森の前で落ち合うことになっているからとりあえず森まで行こうか」


 ガリズマさんの先導のもと混迷樹の森へと向かう。メンバーはガリズマさん、俺、ベリルさん、ラーシャルドさん、トーナだ。混迷樹の森へ行くのは数日ぶりかな…俺がビーインフィニティを討伐したとかいう奇跡が起きた地でもあるんだよな~この森は木々が全体的に高く茂っているのでもし今回のクエストの標的がいるとしたら木の上とかだろうか…とりあえずは探してみるしかないよな。


「ガリズマ~こっちです」


 混迷樹の森へ着くとギルド【血の番人ブラッドウォーデン】のみんなが待っていた。各々ギルド会談に来ていた装いを一新にして戦闘態勢といった感じだった。


「オイオイ、幻影ファントムそんな腕で大丈夫なのかぁ?」


「うるせぇ!」


「ルシウス、煽るのも大概にしてくださいね。今回のクエストは合同で行うんですよ」


「わーってるよ。オレ様流の挨拶ってやつだろ」


「それならいいですが…幻影ファントム、こういう男です。面倒だと思いますが少し多めにみてください」


「ああ」


 あ~ベリルさん、早くもイライラしてるよ~ルシウスさんの煽りもあれだけどこの二人の仲の悪さはどうしたものか…先が思いやられる。


「捜索範囲はどうしましょうか」


「うーん。そうだね~混迷樹の森は木の上と下で隠れられる場所が分かれているからね~基本的にはそれぞれのギルドでどちらかを担当する感じでいいんじゃないかな」


「それでいきましょうか。では、私たちが下を担当しましょう。ウォーデンを高い所にやると何仕出かすかわかりませんからね」


「ミーヤ ブンブン」


「はいはい、そうですね。ウォーデン、私たちは人を探しているんですよ。あれはエイトビー、探しているモノではありません」


 ミヤさんが小さくなったウォーデンさんの相手をしているが子供と近所のお兄さんみたいな感じだ。でも、そんなウォーデンさんの元の姿はおっさんって事実を知らなければ微笑ましい雰囲気があるんだけどね。


「それじゃあ、私たちは木の上を担当するよ。ベリル、大丈夫かい?」


「問題ねぇよ。行くぞ」


 ベリルさんは両腕を負傷して使えないのに器用にスタスタと木の上に登って行った。なんか凄いな。

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