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守霊界変  作者: クロガネガイ
第一部
21/145

ギルド交流①

「ケント君~念話機は使えたかい?」


 広間の方からガリズマさんの声が聞こえる。


「はい、大丈夫そうです」


「そうか、良かったよ。話があるからラーシャルドと一緒にこっちに来てくれないかい」


「わかりました~ラーシャルドさん行きましょう」


「ああ」


 ラーシャルドさんと共に部屋を出て広間のほうへ向かう。普段食事を皆で取ったり、クエストの作戦会議をするところだ。


「話ってなんですか~」


「今日の午後からギルドホールの方でギルド会談があるからギルドホールに行くよって話だよ~」


「ギルド会談…ですか?何するんですか、それ」


「商業街ノーヴァに所属するギルド同士の定期的な情報交換会みたいなものだよ。それぞれこなしているクエストで異常はないかとか問題はないかとかそんな話をするんだ。たまに街からギルド単位のクエストがあったりもするね」


「へぇ~そんなのがあるんですね」


「面倒だがギルド作成の条件にギルド会談への参加があるからでなきゃなんね~の。他のギルドのやつとの顔合わせとでも思ってりゃいいさ」


「はい」


 なんかベリルさん、いつもより不機嫌そうだけどなんかあるのかな~そういえばギルドって他にもあるんだよな。前にギルドホールに行ったときにいた人達と会うのか…しっかりと挨拶しとかないとな。


 その日の午後


「それじゃあ~行くよ~」


「はい」


 ガリズマさんのあとについてギルドホールに向かう。傷は塞がっているしまた治療師のもとに連行されるってことはないよな。痛みはあるけど一時的な誤魔化しにしか治療魔法って意味がないんだよな~そんなことを考えながらふととなりを見ると、しかめっ面のベリルさんがいた。なんだろう、何か嫌なこととかあるのかな。


「あの~ベリルさん、どうかしましたか?」


「あぁ、なんもねぇよ。さっさと行って情報交換して帰るぞ」


「あ、はい」


 何が原因かはわからないけど、明らかにイラついているよな。これ以上はそのイラつきの矛先が俺に向きそうだから触れないでおこう。特に会話もなくギルドホールに向かう。前を向いて先導するガリズマさん、不機嫌そうなベリルさん、無口なラーシャルドさん、辺りをキョロキョロと見当たす俺…あれ?俺だけ落ち着きなくね。なんか周りが気になってしょうがないんだよね~誰かから見られている感じしてそれが気になるんだけどその対象はわからないと…自意識過剰なんだろうか。


「さぁ、着いたよ」


 そんなこんなでいつの間にかギルドホールについていた。結局監視している対象は見つけることができなかったけど気のせいってことにしよう。


「おや、ガリズマではないですか。前回のギルド会談ぶりですか」


 ギルドホールに入るとガリズマさんがローブをきた男に話しかけられていた。その男の隣には大斧を背に担いだ大柄の男が腕を組んで仁王立ちしていた。


「やぁ、ミヤ久しぶりですね」


「聞きましたよ。バーハニー採取でビーインフィニティを撃退したんだってね。凄いじゃないですか」


「あはは、私が直接倒したんじゃないからよくはわからないんだよね。倒したのはベリルとこのケント君さ」


「ほう、そこの彼と幻影ファントムがですか。確かにその状態なかなかの激戦だったとお見受けしますね」


幻影ファントム、随分と派手にやられたもんだな。ハハハハハ」


「チッ、うるせぇよ暴れベルセルク


「なに、そんなに騒ぐでない。オレ様が褒めてやってんだ。素直に受け取ればいいものを…」


「俺はな~てめぇのその上から目線が気に食わないんだよ」


「フッ、そうかい。これがオレ様流の対応だ、気に食わないといわれても困るぞ」


 あ~ベリルさんが不機嫌だったのってこの人と会いたくなかったとかそんなんだろうな。確かにすっごい上から目線で鼻につく人ではあるな~


「ん?そこの小僧は新入りか。幻影ファントム、お前よりも傷は浅いようだが…どちらがビーインフィニティを倒したのだ?」


「ん!」


 ベリルさんが言葉も発せず、顎で俺のほうを指す。すんごい不機嫌だ…俺は悪くないよねぇ?


「フハハハハハ、まさかお前が新入りに手柄を奪われるなんてな。新入りよ、名を何という?」


霊仙れいせん拳斗けんとです」


「レイセンケントか。お前、二つ名とかはないのか?」


「えーっと、ないです。はい」


「そうかそうか。それは寂しいなぁ~オレ様がつけてやろう。幻影ファントムを救った新人か…よし、英雄エロイってのはどうだ」


「え…エロイ?ですか」


「なんだぁ、嫌なのか?」


「いえ、そんなことは…」


 なんか圧を感じたので反論はよしておこう。隣のベリルさんもイラついてるし早くこの場から逃げたいよ~助けてガリズマさん。


「ふ~ん、英雄エロイか~なかなかいいんじゃない」


「ガ、ガリズマさん?!」


 え、なんでエロイってこの世界ではいい意味の言葉なの?元の世界では性的な表現だったはずなのにえ~意味わかんないって~


「ケント、エロイとは英雄という意味だぞ」


「え、そ、そうなんですか」


「ああ」


 急な念話に驚いてしまったがラーシャルドさんが困惑している俺に英雄エロイの意味を教えてくれた。エロイが英雄か~なんか複雑だけど意味的にはいい意味なんだよな~

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