謎多き守り人?
「今の声はなんだろう…」
頭の中に響いた声、それは猛虎の声とは別の誰かのものだった。
「それじゃあ、まずは準備ですね。各々必要なものを揃えましょう」
「はい」「わかったのじゃ」
皆に指示を出してその場を離れる。先程の声についてまずは猛虎に確認をとろうと思ったのだ。
「おい、猛虎!なんだよさっきの声は?」
周りに人がいないのを確認して問うて見る…が反応はない。
「なんだよ、次は黙りかよ」
やらなければならないことがある状況にまた意味不明な出来事が起きるのは正直困ってしまう。答えて欲しいときにでてこないことに腹がたった。
ヒーローは遅れてやってくるみたいな王道展開は好きだが、助けてくれるのならはやいほうに越したことはない。
『んーこほん、まぁまぁ落ち着きなよ主君。虎ちゃんはおねんねの時間なのさ』
「猛虎が寝てるっていつものことじゃん…って君は誰?」
頭の中に木霊する知らない声、猛虎のことを知り、俺のことを主君とかいう意味のわからない存在だ。
『あれぇー虎ちゃんから聞いてない?そっかーなら自己紹介をっと
初めまして主君、僕は君の守霊…名を "羅甲"って言うよ。ヨロシクね』
あーうん。猛虎のことを知ってたからなんとなく察しはついてたけど俺の守霊ね~
百目鬼の例があるからあまり驚かないけど守霊って一人が複数もってることってあるだな。
『主君~聞こえてる~?』
「聞こえてるよ。えーっと羅甲だっけ?君も猛虎と同じく俺の守霊ってことでいいんだよね?」
『うん、そうそう。ものわかりがはやくていいね~』
あーなんだろう。すんごくノリが軽い。猛虎とはまた違った感じだ。陽キャというかチャラ男というかなんというかあまり得意ではない感じだ。
「猛虎はどうしてるの?」
『虎ちゃん?今はねー僕の番だからちょっと引っ込んでもらってるよー』
番って守霊って交代制なのか?よくわからん。
「ちょっと猛虎に変われない?」
『えー僕じゃ不満なわけー?』
「いや、そういうことじゃないんだけど、あいつのほうが慣れてるしちゃんと説明してもらわないといけないからね」
『そっかーでも、今は無理かも~虎ちゃん、力を使いすぎてたからね。変わりに僕に聞きなよ。虎ちゃんよりながーくながーく君を見てきたこの僕にね!』
猛虎のやつ、肝心なときに…あまり気は乗らないけど今はこの羅甲に聞くしかなさそうだな。
「じゃあ、守霊について…守霊って一人が複数体宿しているものなの?」
『守霊は一人につき一体が普通かな~まぁ、特殊な事例もあるみたいだけどね。主君みたいにさ』
「特殊な事例ってなに?」
『さぁ~それは僕にもわからないよ。僕らの使命は君を守ること!この事については虎ちゃんから聞いてるでしょ?』
「うん」
基本一人一体の守霊を俺は二体持ってるってこと…いや、百目鬼も二体従えてたから割と珍しいことではないのかも…
「さっき猛虎よりも長く俺を見てきたっていったけどどういうこと?」
『言葉の通りだよ。虎ちゃんは僕より後に君の守霊となったったこと。ただそれだけ』
「じゃあ、どうして猛虎よりも前にいた君が今になって現れたの?」
羅甲の話が本当であれば俺がこの世界でピンチになったとき真っ先に現れても良かったはずだ。それなのに猛虎が先に現れた。俺を守るのが使命なはずなのに先にいた守霊より後から生まれたほうが現れるのはおかしい気がする。
『それについては~よくわかんなーい。なにかよく分からない力に抑制…されてたみたいな?』
「猛虎は抑制されてなかったってこと?」
『うーん、よくわかないんだよね~つい最近その抑制が弱まって今こーして主君と話せるようになったって感じ~』
抑制かなにかはわからないけど何かしらの力で現れなかったって本当に俺を守る存在なのかよ。
つい最近その力が弱まったってなにかあったっけ?
そーいえば一番関係してそうなことだとダライの封印か…
ウィードさんとも因縁があるようだけどもしかしたら守霊全般に関わる何かでもあるんだろうか…
『他に質問は~?』
羅甲は相変わらず軽いノリで尋ねてくる。
なんか猛虎とは違った感じだけどこれからやっていけるのだろうか…




