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守霊界変  作者: クロガネガイ
第二部
139/145

一件落着?

「さて、話しはされくらいにして本題にうつんぞ」


 ベリルさんが不意に話し出す。


「本題…ってなんでしたっけ?」


「ケント、お前なぁ~俺らがここにきた理由ってのを忘れちゃいねぇだろうな?」


「えーっと…」


 ベリルさんに言われてなんで今ここにいるのか思い出そうと試みる。うん、色々あって目的がなんだったのか忘れてしまった。素直にそう話してもいいのだがベリルさんに呆れられてしまうだろう。ここは一つ知ったかぶりをして乗り越えよう。


「まさか…お前~」


「いやいや~何言ってるんですか~覚えてますってそんなに急かさないでくださいよ~」


「なら、いいんだがよ。ならさっさと依頼こなしてノーヴァに帰るぞ」


「はい、ベリルさん!」


 うん、ひとまずどうにかなったみたいだ。ベリルさんは修行とか武具の管理に関してはうるさい人だけどこーいったことは結構雑なんだよな~


「鬼姫だったっけな?俺らがここにきた理由わけってのをまだ話してなかったな」


「そういえば冒険者がここへくるのは滅多にないさね。普通にいたから気にならなかったさね。ハハハ」


「俺らがここにきたのは商業街ノーヴァへの武器の供給について話をしに来た。村についたときに刃鬼にも話したがアンタが拐われてそれどころじゃないってんで俺らも救出作戦に同行したって訳だ」


「なるほど…そういうことだったさね。それならそーと早く言ってくれればよかったさね。刃鬼、アタシがいなかったからって取引を蔑ろにするとはどういうことさね?」


「そー言われてもだな~鬼姫様拐われたのに呑気に武器なんて作ってられないわけで…」


「いいわけはいいさね。ほら滞納してる分さっさとつくってしまうさね。あとお詫びの書状も送ること!」


「で、でもだな~皆疲れてることだしもうすこし休んでも~」


「つべこべ言わずやりな!鬼神としての命さね」


「わ、わかった」


 鬼姫が有無を言わさぬ圧で刃鬼に迫り刃鬼はなにも返せずその指示にしたがった。しばらくして槌を打ち付ける音があたりに響きだした。


「すまなかったさね。もとはといえばアタシが拐われたのがが原因だったのに…」


「いや、そちらにはそちらの事情があったみたいだし仕方ないと思う。俺らとしてはこれからも武器が供給されることがわかれば問題ない」


「そうかい。ならよかったさね」


「さて、目標は達したし俺らも帰るとするか」


「もう帰っちゃうんですか?」


「あのな~遊びにきてたわけじゃねぇんだぞ。目的がなくなったら早く帰るにこしたことはねぇ」


「確かにベリル殿の言うとおりじゃの」


「あの、あと一日だけ滞在するのはだめでしょうか?」


「シュア、泊まってどうするよ?」


「鬼人族について色々と知っておきたいんです。次にいつこれるかわからないので今のうちに記録を…」


「なるほどな~確かお前の目的は全種族について調べて種族間のわだかまりや差別などを無くしたいだったっけな?それで鬼人族について調査したいと…あーわかったよ。それなら一日くらいここでゆっくりするか~」


「ありがとうございます」


「ほら、丁度そこに村の長がいることだし許可とかは一応貰っておくことな」


「はい」


 シュアは嬉しそうに鬼姫のもとへ行き、事情を話していた。


  「許可貰ってきました」


 シュアが嬉しそうに戻ってきた。手にはなにやらメモをもっており今すぐにでも調査しに行きたいという意志が感じられた。


「俺は戻ってゆっくりする。お前らは各自自由行動ってことで!」


 ベリルさんはそういうと鬼姫から貸して貰った宿へと向かっていった。残された俺たちはというと~


「私は鍛冶場の方にいってきますね」


「シンリーさんはどうします?」


「ワシもベリル殿とともに宿に戻ろうと思うのじゃ」


「そうですか、俺は…」


 うーん、どうしたものか特にやることもない。ベリルとシンリーさんと一緒に宿に戻ってもいいがなんかベリルさんに修行つけられそうで怖い。別に嫌というわけではないのだが明日の帰路のことを考えるとあまりつかれておきたくないんだよな~


「あ~~る~~じ~~さ~~ま~~」


「ん?」


 幻聴だろうか何処からかトーナの声が聞こえたような~いや、トーナはノーヴァでお留守番してるからいるわけないよな。


「主様~」


「え!?」


 今度はもっとはっきりと聞こえた。声のしたほうは…

 恐る恐る空を見上げる。


「主様、受け止めてー」


「はぁぁぁぁぁ!?」


 見上げた空に見えたのは勢いよく向かってくるトーナだった。

 もう地面まで猶予はない。咄嗟に猛虎の型を使い身体強化を行う。どっしりと構えるのではなくこちらから向かいいれる感じで落下するトーナを抱き止めた。間一髪といったところか…まじで危なかった。


「トーナ、どうしてここに?」


「あのね~りいお姉ちゃんにつれてきて貰ったの~」


「え?梨衣に…」


「あーもう、トーナちゃん危ないじゃない!」


「梨衣、なんでここに?」


「トーナちゃんがどうしても行くっていってきかなかったから仕方なしによ。アンタたちこそなにゆっくりしてるわけ?ただ交渉しにきたんじゃないの」


「いやーこっちにも色々あってだな~」


「まぁ、いいわ。いつ帰るの?」


「明日までここに滞在して翌日にはってとこ」


「そう、ならアタシは先に帰るわ。カイザ君が待ってるもの」


「あ、うん。わかったよ」


「それじゃあ!」


「あ、ガリズマさんと商人に伝えといてくれないか」


「わかったわよ。カイザ君と買い物に出るついでに伝えといてあげる」


 そういうと梨衣は風のように去っていった。あれ?もしかして乗せて貰えればすぐに帰れたのでは?まーいっか。


「主様~」


 トーナがグリグリと俺のお腹に頭をすり付けてくる。数日ぶりの再会だ。お留守番をするという約束は守れなかったけど叱ったりはしない。とりあえずは頭を撫でてあげて一緒に宿へと帰った。戻ったらベリルさんにも驚かれたがその時にはトーナは俺の背中で眠っていたから特に聞かれることはなかった。

 ゆっくりと休養をとった。翌日、シュアだけは慌ただしく動いていた。片手にもったメモに溢れんばかりの情報を書き留めていた。

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