表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
守霊界変  作者: クロガネガイ
第二部
133/145

転生者に問う③

「それでその~界変龍ワルドがあなたたちを庇って消えたっていうのはどういうことですか?」


「奴らにワルドのしたことがバレたのさ。ワルドは世界の脅威となりうるそいつらに対抗すべく俺らを転移させた。この世界にはない守霊という力で奴らを倒すつもりでね。でも、転移して一月もせずに奴らからの襲撃でその半数が消された。世界間の移動にはかなりの力を消費するらしく俺含めて7名しか呼び寄せれなかったのに半分も…守霊も完全に扱いきれない戦闘素人じゃあ手の打ち所がなかったのさ」


「七名…それで生き残った人はどうしたんですか?」


「生き残ったのは俺含めて3人…いや、2人か…その内一人はワルドが最後に呼び寄せた奴でこの世界のどこかにはいるらしいんだが誰かもしれないやつだ。そいつが今生きているかも知らない。もしかしたらもうやられちまってるかもしんないな」


「その人の特徴とかってわかりませんか?」


「特徴?そんなもの聞いてどうなる?」


「すこし気になることがありまして…」


 俺はウィードの話を聞いても行くにつれとある人物のことを思い出した。それは霧生梨衣きりゅうりい…ミスティとしてこの世界に転生した彼女のことだった。


「ワルドの話だと水…みたいな何かを操る力を持っているとかなんとか~悪い、俺もあまり詳しくは知らないんだ」


「なるほど…その~界変龍ワルドによる召喚って転移だけなんですか?」


「ん?どういうことだ。俺の知る限り、俺含めてワルドに呼ばれたやつは皆転移者だったぞ」


「いえ、呼び寄せるのに力をかなり使ったのにウィードさんたちのようにワルドのそばに呼べなかったんですよね?」


「そうだが~たまたま座標とかミスったんじゃねぇのか?」


「そうかもしれませんがそうではない可能性があります」


「はぁ?意味わかんねぇって」


「俺にも転生者の知り合いがいるといいましたよね」


「あぁ、確かにそう言ってたな」


「俺が思うに彼女がワルドが呼び寄せた異世界人の最後の一人かもしれないってことです」


 俺や百目鬼の転移については原因は不明だ。でも、ウィード…安仁屋勇さんたちが呼ばれたのは理由があった。俺らよりも前、その界変龍ワルドという存在が関係しているということだ。そこで霧生梨衣について考えてみる。彼女はこの世界に転生という形でうまれた。時期としても俺らより前の出来事になる。俺らのように転移じゃなくて転生なのが疑問だったがそれについてウィードの話からひとつ仮説がうまれた。それはワルドの力の消耗が著しく、転移させることができなかったがその存在は呼び寄せられたパターンだ。彼女は生前病に伏していた。そんな状態のまま転移させても意味がない。ワルドが転移者の守霊の力に焦点を当てていたのなら彼女が最後のひとりだったとしてもおかしくないはずだ。ワルド自身の消耗によりそのままの転移ではなかったとはいえ彼女にとってはそれが幸いした結果になったのも良かっただろう。


「そうか…俺以外で生きているのか。それはある意味幸運なことだ。奴らからの観測を逃れてるってことだからな」


「いや、えーっと…」


「どうした?」


「今の彼女はその~」


「何がいいたい?」


「この世界で転生して色々あって今は転移者のような扱いになってる~みたいな?」


「はぁ?意味がわからん。どういうことだ詳しく話せ」


「その人…霧生梨衣きりゅうりいは…」


 ウィードに彼女についてを話した。俺が知っている範囲でしかないがその不思議な現象についてありのままのことをすべて…


「奇妙な話だな。まさか守霊と同化しているとは…しかも同化した状態では守霊の力を扱えると…奴らもその彼女がワルドが呼んだものとは認識していないように見えるが確かにそいつがお前のいう最後の一人かもしれないな」



「それでウィードさんともう一人いた生存者はどうしてるんですか?」


「死んだ…俺を庇ってな」


 悔しさなのか怒りなのかウィードは何かしらの強い感情を圧し殺したかのような顔をしていた。


「そうですか…」


「神楽ちゃんとは何時であったんですか?」


「アイツとは俺がまだ安仁屋として生きていたころ偶然出会った。ワルドが消滅して間もない頃だったな…」


 ウィードはどこか遠いところを見るように空を見上げていた。


「奴らはその主の為であればなんでもやる。他人の大事なものも命も記憶もすべて奪い去る…この世界の害虫だ。俺らがこの世界に呼ばれたのは奴らを排除するためだ。そして、百目鬼や神楽はワルドが自身の命をかけて召喚した希望なんだと俺は思っている。他にあと5名、俺らと同じなら呼ばれているはずだ。俺の目にはそいつらを関知する力がある。俺はそいつらを探して使命を告げるために生きている。守霊もいねぇしアイツら相手に対抗する力には劣るがそれでもワルドの目的を…仲間の無念を晴らし世界を救いたい…」


「ウィードさん…」


 ウィードは拳を強く握り、それを見つめる目には強い意志が宿っているように感じた。界変龍により呼ばれ、自分に縁のなかったこの世界を守りたいと言う彼の言葉を俺もなんとなく理解できた。今の彼がいるのは彼を庇った仲間の存在もおおきいだろう。俺もベリルさんたちに救われたようにウィードさんもワルドや仲間に救われた…その恩義に答えたいという気持ちが今の彼を動かしているんだろう。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ