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守霊界変  作者: クロガネガイ
第二部
110/145

『とにかくだ、いずれ目が覚める時が来る。それまで気長に待てばいいだろうぜ。真にお前が危機に陥った時、嫌でも目が覚めることになるんだからよ』


「そうだが…」


おれがこうして出てきているのは主様が頼りなさすぎて目覚めざるを負えなかったんだ。その点お前はどうにか一人でも大丈夫なようだしお前の守霊はいい主に恵まれていると思うぞ』


「おい猛虎もうこ、人が黙っていれば好き勝手言いやがって!あのな~平穏に暮らしてたやつがこんなよくわからん世界に急に転移してきたらああなるだろ普通」


百目鬼こいつは大丈夫だったようだが?』


「それは…俺と違って周りにすぐ助けてくれる人…じゃなくて鬼人オーガがいたからで~その~荒野にポツンよりはマシだろ!」


『あ~はいはいわかったってお前の苦労は十分わかったから落ち着けって』


「それならいいんだが…ほんと大変だったんだからな」


『まぁなにより今が無事ならそれでいい。主が生きてさえいれば俺ら守霊は存在し続けられる。それが俺らのお前らを守る理由だからよ…百目鬼どうめき、お前もお前のまだ見ぬ守霊のためにその命大事にすんだぞ』


「あぁ、忠告感謝する」


『おう!』


「で、そういやさっきの作戦っていったいどうなったの?」


「あ~そのことか…さっき話しあった作戦はこうだ」


 そういうと百目鬼どうめきが分かりやすいように説明をしてくれた。今回、鬼神…鬼姫キキさんっていう方を攫ったやつ…要するに今回の敵となる奴は全身を黒衣に包み、更にその上に頑丈そうな漆黒の鎧を纏った奴らしい。顔も視認できなかったので何者かはハッキリしていないとのことだ。その奴は鬼姫キキさんを攫ってこの村から南東の方角へと消えていったらしい。だからまずは敵が逃げた先、南東の方角へ行き敵の位置を探ることから始める。敵を見つけ次第、敵に見つかる前にこちらの態勢を整えて奇襲し鬼姫キキさんを救い出すって寸法らしい。敵は鬼姫キキさんを返す条件に魔刃なるものを要求してきたらしいが村にいる鍛冶師総出で製作に取り組んでいるがいまだにできる予兆すらもない。だから強硬手段で彼女を取り戻す!これがいいと刃鬼バキ百目鬼どうめきもベリルさんの提案に賛成したのだろう。彼らだけでもできなくはないがもしもの場合に備えて村の皆と話し合い安全策をとっていたとのことだった。


「なるほど…まずは敵を探すところからってことか」


「そうなる。俺はこの世界にきてこの村から出たことがないからあまり地形とかそういった捜索みたいなものに慣れてはいない。そういったことはあのベリルって人に頼ることになるな」


「まぁベリルさんは結構色んなクエストを受けてるらしいですしそれに伝説の冒険者だったシンリーさんもいますからね~たぶん大丈夫だと思うよ」


「へぇ~あの爺さんはそんな人だったのか」


「俺も聞いた時は驚いたよ。だってあの人と出会ったのって敵に捕らわれて目覚めた地下の牢獄のなかだったんだからさ」


「え、敵に捕まったのか?それで生きているってなんかすごいな」


「いや~それほどでも~」


『おい何照れてやがる!おれがいたおかげだろ?』


「はいはい猛虎もうこは黙ってて」


 そんな感じで百目鬼どうめきと話をした。最初はこちらのことを警戒している様子があったが話していくうちにだんだんと心を許してくれたのか打ち解けることができた。


「んじゃあベリルさんたちは何をしに行ったんだ?」


「ベリルはこの村の周囲の見回りと敵の痕跡を探るとか言っていたよ。爺さんとシュアさんは明日に向けての準備をするとか言ってたかな」


「じゃあ~俺は…」


「君は体を休めるといい。刃鬼バキのあんな大技を受けて生きていたことも驚きだったのに無傷であれを捌ききったときはもう意味が分からなかった。俺も守霊が目覚めればあんなふうにできるだろうか?」


「う~ん、それはどうだろう。俺も猛虎もうこに雑魚だの弱いだの言われてたからな~あそこまでなるのに結構時間はかかったと思う。俺たちのギルドの仲間に転生者から転移者になった梨衣って子がいるんだけど彼女の力も結構強力だしいずれは百目鬼どうめきも強くなると思うよ」


「そうか…そうなるとイイんだが…」


「強くなってやりたいこととかあるの?」


 ちょっとした疑問だった。俺は強くなって俺を助けた人たちを守りたいって思ったけど百目鬼どうめきは強くなって何がしたいんだろうと思ったのだ。


「俺は…鬼姫キキに相応しい男になりたい」


「え?」


「アイツは凄いんだ。自分よりも大きな怪物をぶったおし、あたしに任せなって…すっごいかっこよかった。そんな彼女を守れるだけの力が欲しい。あの時助けてくれたみたいに俺は…アイツを守ってやりたい。そんなんじゃダメかな?」


 照れくさそうに笑う百目鬼どうめきだったがその思いはどこか俺が抱いたものと似通っていた。俺もそうだった、恩を返したい、守りたいって自分の身を顧みず全力を尽くした時に猛虎もうこが答えてくれた…だから…


「うん、大丈夫。その気持ちにきっと君の守霊も答えてくれるよ。あ~でも命は大事にね」


「あぁ、わかってる」


 そんな感じで百目鬼どうめきと話し合った。なんか同じような境遇の奴、しかも同性と話すってなんか落ち着くな。梨衣とも話して俺以外にもこの世界に転移してきた人がいるのはわかってたんだけどやっぱりなんか落ち着く。百目鬼どうめきも俺と同じ思いを持っている…だから、この作戦を成功して百目鬼どうめきの恩人を無事助け出してあげたいよな。

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