第4考.メロンパン
全体的にふわふわ系のも、好きなんですけどね。
※noteにも転載しております。
好きじゃなかったんですよ。
っていうと。また、ひねくれたこと、こねくりまわすんだろってなっちゃいますが。
いや、メロンパンじたいは好きですってば。
チョコ味や、チョコチップいり。果汁入りの、各種フルーツをイメージしたタイプなど。さまざまな亜種も、どんと来いです。
じゃあ、何が好きじゃなかったのかっていえば。
メロンパンを、横にスライスして、クリームをはさんだやつ
うん。おいしいですよ。よく食べますし。菓子パンのなかでも、かなり上位にランクづけさせていただいているくらい。
では、いったいどこが気にいらないのか?
それは、その形状に至ったプロセスです。
考えてもみてください。
そもそも、メロンパンってどういうものでしょう?
表皮と本体。ふたつの異なる生地を、貼りあわせたパンですよね。
わざわざ、貼りあわせたパン。
それなのに、貼りあわせたあとに。またスライスして、そこにクリームをはさむなんて!
思ったことないですか?
貼りあわせるまえに、仕込んでおけなかったのか?
なかに空洞つくっといて、スライスしなくても、あとから注入できなかったのか?
技術的なことはわかりませんが。
そのほうがおいしくつくれるから。
あるいは、生産効率がいいから。
そんなこんなの理由ありきで、スライス方式が定着したんでしょう。
でもねぇ。
貼りあわせたあとに、またスライスするのかぁ。
なんとなく、釈然としなかったんです。
ところが!
そんな私の、メロンパン観に転機が訪れます。
メロンパンのタイプにも、よりますが。
カリカリした表皮が、いちばん好きな部分ってひと。少なくないと思います。
んで、最後のひとくちに、その部分を存分に味わおうとすると。
① はしっこからたべはじめて、パンの中心部分まで食べすすめる
② 最初のひとくち部分以外の、円周部分をとっといて。
本体生地の、厚い部分を食べ尽くす。
結果、ほぼ表皮のみの円周部分が、三日月型に残る
③ 残った、三日月型を食べる。
カリカリを存分に味わうがいい
とまぁ、こんなかんじで食べてました。
それで、あるとき。
きづいたんですよ。
同じくパンの仲間なのに。メロンパンとは、逆の食べかたをするパンがあるって。
しかも、
食べかたは逆
なのに、
理由と目的は、いっしょ
だったりします。それは、
・パンの中央に、クリームや具材などを仕込んであるもの
例)あんパン、クリームパン、カレーパンなど
※ パンではないが、中華まんも含んでもよい
・パンの上に、クリームや具材をのせてあるもの
例)ピザ、具材系 or ジャム系トーストなど
・パンで、クリームや具材などをはさんであるもの
例)ハンバーガー、サンドイッチ、ホットドッグなど
これらを食べるとき。ひとくちめは、クリームや具材にあたらないこともありますよね?
いくら生地がおいしくても。クリームや具材を味わいたくて、それを食べることが多いと思います。
んで、やっぱり最後のひとくちに、クリームや具材を存分に味わおうとすると。
① はしっこからたべはじめて、クリームや具材にあたるまで食べ進める。
クリームや具材にあたったら、それ以上は食べ進めない
② 最初のひとくち部分以外も、円周部分を食べ尽くす。
(ホットドッグのばあいは、両端を食べ尽くす)
結果、クリームや具材がたっぷりの、中心部分がのこる。
③ 残った、中心部分を食べる。
クリームや具材を存分に味わうがいい
ね、食べかたは逆だけど、理由と目的はいっしょでしよ?
そこで、はっとします。
スライス方式、クリームはさみこみ型メロンパンは、この両者の特徴をもっているのです!
表皮部分のカリカリも、好きだし。
中心部分の、クリームや具材たっぷりも、うれしい。
どっちの食べかたをしたって。最後のひとくちには、最高の幸せが約束されているじゃないですか!
その機能的合理性を考えれば、製法上の不合理性など、たいした問題ではなくなってしまいました。
むしろ、いったん貼りあわせたものを、またスライスするという。暴挙とも呼べる行為を選んだ英断。
小さな不合理性を、より大きな合理性でくつがえす。
そんな手法があったのかと、おのれの浅はかさを恥じらいつつ。
また、スライス方式、クリームはさみこみ型メロンパンをかじっております。
きょうの最後のひとくちは、どっちにしようかなぁ。
カリカリの表皮か、たっぷりのクリームの。
ハンバーガー、まわりから食べちゃうんですよね。




