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第三章 増えていく謎知識

沢山誤字脱字してると思います。ごめんなさい。


訳もなく。目を開くと、俺は森に捨てられていて、そこには誰もいなかった。先程までいた神を自称する女はいなかった。女が移動したというよりは、俺自身が別の場所に移動したようだ。辺りを見渡す。木々の隙間から、近くに村があるのを確認する。


(よし!あそこにヒロインがいるのか)


先程まで目の前にいた神という存在。いかにも向かってくださいと言わんばかりの突然出てきた貧相な村。ここは異世界だ。俺の中でそれはほとんど確定した。俺は村に向かって歩いていると、巨大ななにかによって俺の影が消えていくのがわかった。俺は空を見上げると、綺麗な青空に泳ぐ、いや飛んでいる巨人を見つける。


(えぇぇぇぇえぇぇぇぇぇぇぇ!!!)


ミスった。俺は物語の主人公になれると思っていた。しかし、巨人に踏まれるだけのモブだと確定する。


(死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ、あれはやばい。どうせなら村に向かってみんなで一斉に死のうじゃないか)


俺は猛烈なダッシュで村に向かった。ただただ一直線に向かって走る。影は俺のダッシュより早かったためすぐに抜かされる。俺はそれを確認した瞬間に空を見上げる。どうやら人に向かって落ちたりは今のところしないみたいだ。そういえば神は世界を救ってくださいと言っていた。


(俺と戦うのは空飛ぶ巨人なのか?!あ.....えーなんで)

空から視線を村に落としている最中に大きな木の日陰の中で寝ている女の子を見つける。髪は短く、俺でも知っているボブというやつだ。木々から差し込む眩しい光と女の子は見事に美しくこの場に存在している。しかし手足が泥だらけで汚れている。俺と同じように巨人を見て走って逃げて来たのだろうか。俺はまじまじと観察をする。別にいかがわしい意味を持っているわけではない。もしものときがあったらいけないから、誰もがする心配の動作表現だ。でも今人見知りになった俺の場合、寝てくれたまんまのほうが今後動きやすい。


(しばらく寝たまんまで!短い間ですがどうぞよろしくお願いします)


観察して1分近く経つと村の方から人がやってきた。どうやら観察タイムは終了みたいだ。特に俺が期待していたことは何一つとして起きなかったがとても心が浄化された。俺は第三者から見ておかしくないように、村に向かって歩く。当然そっち方面には女がこちらの森の方に向かって歩いてきている。女の人は軽装で薄い布を羽織っていた。空を飛ぶ巨人がいるんだ。森の中は もっととんでもないやつがいるに違いない。いらないと思うが注意喚起しておこう。


「あの、こちらの森は危険だと思うので、あまり近づかないことをおすすめしますよ」


「大丈夫ですよ。親切にありがとうございます。でも、私はここらでは珍しい魔法使いなのできっと平気です。安心してください」


「へぇー。そうだったんですか。では大丈夫ですね。それでは失礼しますぅうーじゃなくて....あの、俺どうやら記憶喪失っぽくてこの世界のほとんどの情報を忘れちゃったみたいなんですよ。よかったらですが、俺に色々教えてくれませんか?」


「私でいいなら別にいいですよ。けどその前に、あなたの出身を聞いてもよろしいですか?」


ハードな問題がいきなり来てしまった。どうする。嘘ついてよくわからない言葉でも伝えるか?いや事実確認のため、とか言われたら俺は逃げ道がなくなってしまう。正直に答えよう。多分疑問文で返されると思うけど。


「東京です。」


「あれ?記憶喪失だったんじゃないんですか?」


女はウソを発見したことを嬉しいか。俺をチョロいと思ってるのかはわからないがドヤ顔に似た顔を俺にする。あ、そういえばそんなこと言っていたわ。........やばい!もうその設定忘れてた!俺が言い訳を考えていると、女の人はクスクスと笑い俺の方を見て口を開いた。


「因みに東京なら、私と同じですよ。東京の西側です。」


え?東京ってここにあるの?ここ異世界かと思ったんだけど、違うのか。いや、聞き間違いかも知れないから念の為にもう一度聞いておこう。


「本当に本当に東京の西側出身ですか? 」


「ごめんなさい。本当は東京に近いだけのただの一般人です。でも西側っていうのは本当です!東京に住んではなかったですけど、すごく近いところに住んでいました。あの.......どうしてわかったんですか?」


「...ちょっとだけ人を見るセンスがあるだけですよ。あは...あははは」


すごく高低差のある感情だな。少しやりづらい。それにわざわざ東京から来たと言ったところから、東京じゃない人が地方で出身を聞かれたときの反応と似ているものがある。ここはやっぱり元の世界なのか。


「あの、記憶喪失というのは大事にしていた物や事は覚えていられると聞いたことがあります。もしかしてあなたにとって東京という単語は記憶喪失と何らかの関係があるかもしれませんね」


記憶喪失といっても全部の記憶がなくなるわけではないのか。もし、物理的に記憶喪失を起こせるとしたら、何回目に事実と一致する解答を、相手は思い出せるんだろう。あ、いや。今、話は良いように進んでいる。この波に今は乗ろう。


「い、いま!何か思い出しそうになりました!」


「本当ですか?!この調子なら、すぐに思い出せるかもしれませんね。ちなみに、どうして.....いやなんでもないです」


なんだ?なんか聞き落としたところがあったか?


「そういえば、ここらでは珍しい魔法使いと言っていましたね。ここで何をしているんですか?」


女は困ったような顔をして俺に言う。


「実は私も、あなたと同じ記憶喪失みたいで、ここでは珍しい魔法職ということと、出身だけ覚えています。そのため、近くに人がいそうなあちらの村を見つけて、色々聞こうとしたところ....目が黒だからお前はだめだ。今すぐ去れ。と言われて森に行こうとしたんです」



「それは、気の毒に。え?じゃあ俺もアウトじゃないですか。」


最初はなんとも思っていなくて同情するフリはしていたが、ヤバい立場にいるというのがわかった。いや、髪の毛の色は黄色でイケメンフェイスに変わっている可能性もまだある。よし!


「俺の髪の毛の色と容姿はどうですか?」


「黒い髪の毛に..えっと....」


「正直に言っていいですよ!」


「あの....容姿は関係ないと思います」


怒られた。


「はい。すいません。調子に乗りすぎました。」


しかしやっぱり変わってないのか。


「あの、いきなりですが、な」


俺が女の人の名前を聞こうとした瞬間、

意識が飛ぶような感覚が襲ってきて、

まばたきをした瞬間、雲のような水蒸気で辺りが包まれていることに気づく。ここまでは最近見た状況と一緒だが、俺が振り向くとそこには巨大な木の前に女がいた。神だ。


「どうも、初めまして。私の名前は神と申します!!」


「もう一度、言ってもらえますかーー」


聞こえているのにも関わらず俺は前にもやったことを繰り返しやってみた。


「貴方がもう一度やり直したいとおっしゃったから、やったのに....っ..うぇええーーん...っ」


うわぁー。こんな可愛い人を泣かせてしまった。少し嘘泣き感はあるけど、早く謝らないと。


「ごめんなさい!特に理由はなかったんですけど同じやりとりをやってみたくて、つい!」


「べ、べつに気にしてませんから。そ、それと年齢を聞いてきたことも今の謝罪を持って許します」


え?泣き止むの早いし、最後に言っていたこと真顔で言われても...やっぱり出会い頭年齢を聞くのはタブーなんだな。


「べ」


神は俺に向かってベロを出す。


「それでは!お遊びはここまでにして、本題に入りましょう」


ストレス発散のためだけかよ!そう心のなかで、今までのやりとりを悪く感じない気持ちを抱きながらツッコミ、俺は真剣に話を聞く。


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