表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

遺書

作者: 井島一

もう僕は今日の西洋社会が作り上げた物欲社会に嫌気が指していた。人々の顕示欲や性衝動を巧みに利用し、男女が、人と人とが、お互いを信用できない社会を作り上げたのは間違いなくこの西洋が生んだ資本主義社会が要因である。欧米人にはそれが合理的なのかも知れない。だかしかし日本文化わ愛し、少しでも日本人の心が残っている身としてはどうにもこの社会は合わないのだ。誰にも合わせたくないという思いと誰かに分かって貰いたいと言う気持ちが交錯する。僕は好きな人とセックスがしたいだけなのに、僕の好きな人はその人を好きとも何とも思ってないような男に抱かれて眠っている。しかもそう言う男がとんでもなくモテるのだ。冷たくされればされるほど女は阿保だから更に依存するのだ。誠実な男は相手にされず、散々遊び呆けた欠陥女を宛がわれる始末だ。

全く、あの戦争で負けたせいで我々は日本人の誇りを持つ男が不遇を受ける世界を生きることになってしまった。女の見る目が落ちた、品がない。と言いたい訳ではない。そんなもの最初から女に機能として備わっていないのは知っている。

ただ男子諸君、或いは男に振り回されている阿保に言いたいのは、全ては自分の願いで歩んでいる道だ。と言うことである。ふしだらな男たちもその道を選んだだけである。我々はその道が何であるにせよ、運命に従うしかないのだ。命運に逆らい、流れに抗うと言うことはそれ相応のリスクが要る。

それを知ってなお、私は芸術を選んだ。私は自分が芸術に生き、芸術に死ぬことを誇りに思う。


青年よ、性にかまけろ。真面目な男は損する時代だ。もう日本人的に生きても損する社会になってしまったのだ。仕方がない。たくさん女を抱いて、騙して好き勝手に生きるんだ。なぜならそういう男の方が女にモテるのだから。

男として生き、女に金として見られたくないなら、罪人であれ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ