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休憩時間

作者: 枝瀬

授業と授業の間の暇な時間、それはとても不思議な時間だと思う。


次の授業がテストではない限り、ゆったりとした時間が流れる。そのせいで色々考え事をしたりもする。

教室に入った時には、今となっては少し話す程度の友達らと申し訳程度に「あ、おはよー」「おー」と挨拶をして、少し離れた席に座る。


昔は割と一緒に過ごしていた頭の良い彼女は、今では私より後に仲良くなった人達といつも一緒に過ごしている。私は自分でも仲良くしていたいのか群れたくないのかよくわからず、変な気を遣って近づかないようになってしまった。


「あの授業、京大と全く同じ内容なの絶対許さない」

「ねー、難しすぎて意味わかんない」

遅めの昼ご飯のブラウニーを齧りながら話を少し盗み聞きする。その人達は昼ご飯も一緒に楽しく食べてるんだろうなと思うと、口の中の水分を持っていくブラウニーが一層鬱陶しくなる。

あのグループはこぞって公務員講座を受けに行っている。よくみんなで同じことをできるなあと思ったが、実際そのグループにいないから、それぞれの細かい違いがわからないのかなと自粛する。閑話休題。




さっきの体育のバドミントンのせいで疲労が溜まっているので体を動かしたくない。割と運動してしまった。


机が夕日に照らされている。先生は遅刻している。なぜわかるかと言うと、さっき違う階で急いでいる先生とすれ違ったからだ。もう少し考え事をしてもいいかなと、ブラウニーを食べながらぼーっとするのを続けることにする。ブラウニーがぼろぼろ服に零れているがもう気にしない。さよなら元ブラウニー。


最近まで厨二病だったので──今もそうだが──できると思っていたことができなくて自信を無くしている。

ちょっと前まではそこそこまでできる能力があったからそう勘違いしていたのかもしれないが、最近はもう能力自体がなくなってきたんじゃないかと思っている。


それでも必死で努力しようと思わないのが私の悪いところである。だから何も出来なくなるのだ。でも何も努力したくない。なんだこれ。


この間はもう働く気力がなくなって、院に行くモチベーションもなくなった。最近の男子が言うような「働きたくない」とは動機が違うから違うと言いたいが、外から見たら一緒である。世間は冷たい。


自分に自信がなくなったから社会でもやっていけないんじゃないかと考えたのが原因だが、今となってはもう、なぜそう思ったのかきっかけが思い出せない。老化かな。これだから社会に出たくないんだ。




また自信を無くしていると先生が教室に入ってきた。一口で食べるには少し大きい残りのブラウニーを一気に口に放り込む。水分と一緒に沈んでいた思考もどこかへ行ってしまった。






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