表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
汚屋敷の跡取り  作者: 髙津 央
◆印歴2213年12月29日

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

64/87

64.説教タイム

 何だ。驚かしやがって。って言うかマジ凍死しそう。

 早く説教タイム終わんねーかなー。


 「ゆうちゃん、ずっと口応えばっかりで、全然反省してないね」

 真穂が仁王立ちで腕組みして言った。後妻が生んだ異母妹の癖に生意気な。

 米治叔父さんが立ちあがった。マー君、ツネちゃん、賢治も立ち上がった。

 座ってるのはオレだけだ。


 「殿下は強大なお力をお持ちだからこそ、ご自身が不当に貶められても、無闇にそのお力を振るわず、自制なさったのです」


 「優一、自分で言ってて情けなくならないのか? お前、さっきから暴言と妄言を吐いて、筋の通らない無茶苦茶な言い訳で自分を正当化してるだけじゃないか。

 何で現実を直視しようとしないんだ? 自分の姿がちゃんと見えていたら……現状を正しく認識してたら、さっきみたいなことは一言も言えない筈だぞ」


 「ゆうちゃん、他人を貶めても自分の立場が下がるだけだよ。王族の宗教を泣かせて、勝った気でいるのかも知れないけど、そんなことないから」


 「宗教に訴えられたら最悪、外交問題だぞ? 小国とは言え外国と揉めるくらいなら、この国の政府は、ゆうちゃん一人を見捨てる方を選ぶと思うぞ?」

 魔女のババア、分家のおっさん、ツネちゃん、マー君が連続で、上から目線の説教かましやがった。


 さっきからお前ら何様のつもりだよ。調子に乗りやがって。

 一対多数って卑怯にも程があるだろう。こう言うの、集団いじめって言うんだよ。


 寒い。

 本格的に体が冷えてヤバい。

 こいつら、マジでオレを凍死させる気か?


 ここはひとつ「反省してます」のポーズで、説教タイムを終わらせるとしよう。


 「いや、オレもホントのコトだからって、ちょっとは言い過ぎた所があったかもな。喧嘩両成敗で水に流して許してやるから、ムネノリ君にも、機嫌直すように言っといてくれ。いや、ほら、オレたちみんな親戚なんだし、もうすぐ正月だし、水入らずで、仲良く年越ししよう。なっ」


 座敷の連中は互いに顔を見合わせ、無言で視線を交わし、オレに向き直った。


 何、目で会話してんだよ。お前らエスパーか。


 魔女のババアが、また湖北語で何か言った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【関連】 「汚屋敷の兄妹
賢治と真穂視点の話で「汚屋敷の跡取り」と全く同じシーンがあります。

▼用語などはシリーズ共通設定のページをご参照ください。
野茨の環シリーズ 設定資料(図やイラスト、地図も掲載)
地図などは「野茨の環シリーズ 設定資料『用語解説17.日之本帝国』
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ