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あくまで悪魔  作者: 終焉
1/1

プロローグ

はーじまーるよーっ!?

俺の名は対外的には倉本くらもと 神時かんじという事になっている。一応学生である。・・等々、なぜか普通はきっぱりと言い切れるはずの事柄が曖昧なのは、一体どういうことなのか、それは俺が・・・・




俺は通学路をいつもの様に高校へ向かって歩いていた。

俺の容姿は少し切れ上がった瞳に漆黒の髪、瞳の中は少し赤みがかっていて、全体的にどこか鋭さを感じさせるものになっている。

そのまま道を歩いてしばらくすると、いつもの、あの粘つくような感覚がやってきた。


「クライト様。」

唐突に声を掛けられる。

「ベルゼ。こちらの世界ではその名で呼ぶなと言っただろう。」

しかし声の主は気にした様子もなく俺の背後から話し続ける。


「お願いします、早く魔界にお戻りになってください!サタン様もご心配なさっております。もちろん、私めも。」


「はっ、親父も心配性だな、大体人間界で何の危険が俺にあるってんだ?神々が最終戦争でもしかけようっていうなら分からんでもないが・・。」


そう言いつつ、俺が振り向くと、そこには紫色の瞳に同色の長い髪をした、長身の男が立っている。

「そもそも何故そんなことを伝えるためにお前がわざわざ出てくるんだ、ベルゼ・・・・いや、8大魔王の1柱ベルゼブル。」

そう言って少し強めに睨んでやると、今までのりりしい空気の美形はどこへやら、彼は不自然なほど狼狽して、ついといった感じでポロリと口を滑らせた。

「いや、あの、そのこれはべつに。違うんです、ウリエルに振られて傷心旅行していたところをサタン様についでだとか、そんなんじゃ・・・・あ。」

「ほー、あのウリエルか。なるほど、お前やはりまた女に振られてこちらに逃げ込んでいたのか。は、まぬけだなぁ。」

そうとうきまずかったのか、ベルゼは一つ咳をついてごまかすと、それはいいとしてと続けた。

「近ごろ、世界の歪みが多発しておりまして、実は少し真剣に魔界では心配の種になっております。どうぞ、お気を付けください。」

世界の歪み。

それは平行する世界の境界が曖昧になってしまうとても危険なもの。


「ああ、わかった。気を付けよう。ははっ、今度どうやって上級天使ウリエルと知り合ったのか、教えろよ!」

「かんべんしてくださいよもう!」

そんなやりとりをして、そのままベルゼのヤツは消えた。あとには存在の気配さえない。




そして、この日は俺にとってのターニングポイントとなることを、誰も識ることはできなかった。

そう、悪魔王サタンの息子であり、最狂無敵のこの俺にも・・・・――――――――――――

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