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アストラルという戦場にて(フィーネ視点)

『もう本当なんなのよあいつ』

フィーネ=ハトムシークは整備室を後にしたのち図書館に向かっていた。

『ねぇあれアーサー王の人だよね』

『しっ、聞こえたらどうするのよ』

(またアーサー王か、みんなそればっかり)

フィーネは自分がアーサー王の血縁ということをよくは思っていなかった

『こっこんにちはー』

『うん、こんにちは』

心のない挨拶、ただ自分がアーサー王の血縁というだけでみんなの反応が変わる

どれだけ努力してもアーサー王の血筋だから、生まれ持った才能などフィーネ自身の力は誰も認めようとしなかった。

『自分自身ってなんなのかな』

ふと思っていたことがこぼれる。

当然それに関しては誰も答えてくれない。

そんなこんなで図書館についてしまった

『さっさとレポートまとめて家帰ろ』

ガラッ

フィーネが図書館のドアを開けた瞬間視線が集まった

最初は何だろうと気になる視線だけだったがその視線はすぐ変わった

冷たい視線に

(いつもいつもなんでこんな目で見てくんのよ)

フィーネは静かに席に座り課題のレポートを書き始めた

『あの人だよねアーサー王のなんちゃらって』

『噂によると気にさわったり逆らったりすると切り捨てられるって』

本人たちは聞こえないように言っているつもりだろうがフィーネには丸聞こえだった

『フィーネ!』

ドンッとフィーネの背中が叩かれた

『いたっ、てなんだノゼアか』

その瞬間図書館がざわついた

『ナニあの子、普通に話しかけに行ったよ』

『あの子ヤバイんじゃ』

別に何もするつもりはない、むしろ友達に背中を叩かれたぐらいで切り捨てなんてするはずがない

『なにやってんの?レポート?それいつまでだっけ?』

『明日の午後5時までだよ』

フィーネがそう答えるとノゼアの顔が青くなった

『おねがいごとしていいかな』

『物による』

『すいません、またレポート写させてください』

『やだ、自分でやれ』

うへぇ〜とノゼアがしぼんでいく

クスクスとフィーネが笑っていると

『あれ、あんたヘッドホンどうしたの』

『ああ、今アルマメンテナンス中だからヘッドホンも向こう』

アルマを起動するにはヘッドホン型のユニットが必要なのである

通信機器としても使えるのだがほとんどはアルマの使用を申請したり、アルマを転送してもらう時に現在地を知らせるためなどに使用されている

ヘッドホン型のユニットはアルマ専門学校全生徒に配布されている

『またあんた無茶でもしたんじゃないんでしょうね』

『べっ別に無茶なんかしてないわよ、コアやられてないし』

『コアさえ守ればいいって話じゃないの、本当無理しないでね、あんたは私の親友なんだから』

『私の唯一の友達がノゼアでよかったよ、これからは気をつけるから安心して』

本当にノゼアが親友でよかったとフィーネは心の底から思った

『ところでさ、本当お願いします、レポート写させてください』

フィーネは、はぁ〜と溜息をついて

『わかったわよ、終わったらあんたの部屋に届けとくから』

『おお〜流石フィーネ〜、あんたに頼んでよかったよ』

話に夢中になっていて消しゴムを落としてしまった

『おっと、落ちちゃった』

消しゴムを拾おうとした瞬間、地面が揺れた

『えっ何事!?』

ノゼアがそう言うと同時にヘッドホンへの一斉通信が入った

『あぁーもうなんでこんな時にメンテナンスなんかに出てるのよ』

愚痴を言っているフィーネにノゼアが

『他国のアルマに襲われてるらしい、しかもRAK(レブルアルマキラー)もいるらしい』

『シャれにならない冗談ね』

とりあえずアルマがないと戦えない

『とりあえず、私は整備室にいってアルマを取ってくる、先にノゼアは防衛戦に参加してて』

『了解!』

二人はそれぞれの目的地に走った

『コレでメンテナンスが終わってないなんてなったらあのお墨付き野郎ぶっとばしてやる』

そんなことを言いながら走っていると壁が壊れていることに気がついた、しかもそれが大きく崩れているのではなく、そこだけを抜き取ったように壊れていた

『もしかしてアルマかRAKがすでに入り込んでるの!?』

急がなくちゃそんな思いでいっぱいだった

整備室の前まできたフィーネは勢い良くドアを開けた

『私のアルマのメンテナンス、終わってるんでしょうね』

そう叫んだのつかの間、整備室にはRAKがいた

最悪のエンカウントだった

アルマない今、生身でRAKを相手にすることになる

そんなの勝てるわけがない

RAKはアルマを破壊する兵器、生身の人間なんてゴミのように踏みつぶされる

(逃げなきゃ、逃げなきゃ)

頭ではわかっているのに恐怖で体は動かなかった

RAKがこちらに振り向いた、

(まずい気づかれた)

『グガァー』

RAKが雄叫びをあげながらこちらに突進してくる

もうだめだそう思いながらフィーネの口から

『誰か、助けて』

その瞬間フィーネの前に見覚えのある男の子が降ってきた

『お前の相手は俺だろうが‼︎』

そう、今日会って今日知り合ったあの校長のお墨付きが

『えっ?』

その校長のお墨付きは右手でRAKの突進を押さえ込んでいた

さらにその右手が真っ白に輝いていた

『悪い、迷惑かけた』

振り向いたそいつの左の瞳は青かった



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