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夏生詩集3

破壊せよ、と放たれた

作者: 夏生

痛みを感じ

涙を流し

誰かを愛し慈しみ

見果てぬ夢を抱き

人を思い、思いやっていた

幾万もの若者たち


正義を被せられ

鋭い切っ先を渡され

心を踏み潰され

単一の機械にされて


命を

人を破壊せよ、と

放たれた


同じ人種でないもの

異と見なしたものは

すべて破壊せよ、と


命をもった

心をもった人間であると思うな、と

叩きこまれた言葉が

残虐へのスイッチとなった


悲鳴も叫びも

聞こえなくなった心は

熱帯の地をさまよった

奪うが善である、と

異ならば何をやってもよいと

笑いながら焼き付くした


我が地に戻って

心がゆっくり脈打つようになると

赤黒いままの両の手に愕然とする

叫びや悲鳴がすぐそばに聞こえてくる


焼け焦げた正義から

奪った命の匂いを感じる

今、そこにあるような


これは遠い昔話じゃない

世界のあちこちで起きていること

目を向ければ見えるほど

近いところで起きていること












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― 新着の感想 ―
[一言] 正義と言う名の狂気が、人の心を壊す感じがとてもストレートに伝わってくるような気がしました。ずしりと重いけれど、その重さは今の世界への警鐘に感じられます。
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