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プロローグ

「さぁ早くお逃げください!あとは貴方だけです!」

 青年が叫んだ。その場所にいるのは僅か四人。

 たった今叫んだ青年と、その傍らにいる小さな少女。

 そして二人の少年。

「だが!」

「貴方の気持ちも分かります。ですが貴方は生き延びなければならないのです!」

 すでに部屋の外にも多くの足跡が聞こえてきた。恐らくこの城はすでに包囲されてしまっただろう。

 逃げろと言われた少年は決心したようにもう一人の少年を見つめる。

「すまない……お前一人残していくことを許してくれ……」

 その瞳は痛ましげに揺れている。

「いいのです。貴方が生きてさえくれれば……」

「すまない……」

 少年はもう一人の少年の決意を感じてもう一度謝る。そして自分も決意したような顔を見せた。

「――――」

 少年が青年の名を呼ぶ。

「その子を頼む……」

「分かりました……」

 まだ幼い少女には今の状況が分からなかった。けれども何かを察知したかのように悲しい顔をして泣きそうになる。

「もう時間がありません」

 その言葉に少年はハッとする。

「早くお逃げください。今からならば彼らにも追いつけるはずです」

 外の足音はだんだんと近づいてくる。最後に少年はただ一人残る少年を見た。言葉は交わさなかったが想いは通じる。そして少年と青年と少女は部屋の抜け道を通って逃げていった。

「どうかご無事で……」

 一人残された少年はみんなが出て行った方を見て呟いた。

 そして顔を上げて足音が聞こえる扉のほうを向く。それと同時にその扉は勢いよく開かれた。そこには多くの者たちが少年を狙おうとしている輩がいた。少年はすかさず彼らに向かって魔術を放つ。

「ここから先は誰一人通しはしない!この聖王国の王――アルディオン=レーヴァン=ゾディアが!!」


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