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プロローグ1

この小説には多少グロテスクな表現が含まれます。苦手な方はご注意ください。

 ある日の昼下がり、とある少女が死んだ。


 その子の名前は朱音あかね。ふわっとしたツインテールで身長は130cmほど。ぱっちりとした目が特徴的な女の子だった。


 事故は朱音の絵画教室の帰りに起きた。信号無視をした車にはねられたのだそうだ。即死だったと姉である早苗さなえは聞いている。


 寂しがり屋だった朱音は早苗の幼馴染である優雨ゆうになついていて、いつもべったりだった。事あるごとに優雨の名前を口にしていたという。優雨は、まだ朱音が死んでしまったことを知らなかった。






 優雨はごくごく一般的な高校一年生だ。身長は170cmほど。少し癖のある髪が特徴で、賢そうに見える銀のフレームのメガネをかけている。実際の所、頭がいい。 


 時間は夜八時。いつものようにベッドの上をゴロゴロしていた優雨。何をするでもなく、何を考えるでもなく、ただゴロゴロいているのだ。そんな時、優雨のケータイが鳴った。着信は早苗から。優雨はいつものように電話にでた。


「もしもし、どうした?」

「あ、優雨君……。今、時間いいかな」


 いつも元気な早苗に今日は元気がない。優雨は心配になり、立ち上がった。


「今家にいるよな、今から行く」

「え、あ、うん」


 優雨はすぐに家を出た。優雨にとって早苗はただの幼馴染。しかし、早苗が困っていたり落ち込んでいたりするとじっとしていられないのだ。


 早苗の家は優雨の家から歩いて三分ほどの場所にある。走れば一分ほどだ。見慣れたいつもの道を駆け抜ける。そんなこんなで息が切れる間もなく早苗の家についた。早苗に何かあったのだろうか。その考えだけが頭を満たし、不安感が胸に溜まる。そんな胸をなでおろし、優雨はインターホンを鳴らした。


『はい、どちら様ですか』

「優雨だよ、開けてくれるか?」


 すぐにドアが開く。中から目を赤くした早苗が出てきた。今日の早苗は目を赤くしていることのほかにも、普段とは違う点があった。


 いつもは家でも腰あたりまである髪を、耳の少し下のあたりで二つに結び、きれいに整えている。それに服もいつでも外に出られるようにラフだがおしゃれな服を着ているのだ。しかし、今優雨の目の前にいる早苗は髪が乱れ、服もいつもは着ないようなジャージだった。


 早苗は力なく手招きし、優雨を見た。優雨は軽くうなずき、家の中に入る。家の中に入って、おかしいことにいくつか気づいた。もう日が暮れて真っ暗なのに、家の中は電気がついていないのだ。そして家の中が静かすぎた。


「今日はみんな出かけてるのか?」

「……あのね」


 早苗はゆっくりと振り返り、優雨を見る。目には溢れそうなほどに涙をため、ジャージの裾を握りしめていた。


「今日、朱音が死んだの」


 優雨は一瞬、早苗が何を言っているのかわからなかった。普段の早苗はたちの悪い冗談を言わない。ということは、今早苗が言った事は本当の事。


 優雨は言葉を失った。無意識に頭を掻き、視線を泳がせる。重たい沈黙が二人の間に降りた。この前まで元気にはしゃぎまわっていた朱音が、ニコニコしながら抱きついてきていた朱音が、突然死んでしまうなんて。優雨は信じられなかった。


 優雨自身、すごく悲しかった。目に涙がたまってしまうほど泣きたくもなっていた。しかし、優雨は必死に涙をこらえた。


(今、ここで俺が泣くわけにはいかない。絶対に泣いちゃだめだ)


 優雨は心の中で自分に言い聞かせた。そして一度落ち着こうと、深く息を吸って早苗を見る。そして優雨は気が付いた。早苗も優雨の前では泣くまいと必死にこらえていることに。優雨は黙って早苗に近づいた。そして優しく抱き寄せ、頭をなでる。


「我慢することない。全部俺が受け止めてやるから、我慢すんな」


 早苗は一瞬驚いたように震える。そして緊張の糸が切れたかの様に体を優雨に任せ、声を上げて泣き出した。


初小説なので、変換ミス、文法の間違いなどがあるかもしれません。温かい目で読んでいただけるとうれしいです!

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