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第六話 考え事後の一休憩

気がつけば、湯の中に入ってかなりの時間が経っていた。


さすがにこれ以上はいっておくのも危険だと思った私は、すぐ傍においておいたタオルを手に取ると、湯から上がる。


けれど、長い間はいっていたためか、外に出ても体が火照って寒さは感じない。


逆にぽかぽかと温まって気持ち言いぐらいである。


時計を見れば、長針が一周していた。


まあ、これほどまで入れば、そうなっても当然か。


心の中でそう呟くと、私は脱衣所へ戻った。


その際、もちろんある程度体を拭くことも忘れない。


これも最低限度のエチケットである。


脱衣所に戻った私はすぐに浴衣に着替えた。


せっかく風呂に入って体を温めたのに、湯冷めしたのでは意味がないからである。


すべてきてから、また乾ききっていない髪をタオルで拭く。


まあ、この時期乾かすには時間が掛かるだろう。


洗面台にドライヤーがおかれて入るが、有料となっており、何となくもったいなくて使う気が起きない。


と言うか、普通、今時ドライヤーが有料か、とも思ってしまう。


まあ、良くも悪くも田舎なのだなと思った。


風呂を出た私はすぐさま携帯の電源を入れた。


今までずっと切っていたのだが、旅館の人を呼ばなくては帰れないので、緊急用である。


できれば、ずっと消していたかったのだが、この際そんな事を言ってみてもしようがない。


私は、さっさと電話をかけることにしたのだが、当然のことなのだろうが、すぐに迎えに来てくれた。


そして今度は行きとは違い、帰りは雪夜空の中を車は走り始めた。


周りを見れば、迎えに来てもらっている私を少々うらやましげな目で見ているものもいる。


どうやら、彼女らの旅館ではそう言ったサービスはしてもらっていないようである。


まあ、だからといって私の選んだ旅館が特別だと言うつもりはない。


私以上に待遇のいいところもあった。


現に私が乗る車の前を小さめのバスが走っているが、それも私のところと同じく違う旅館のバスである。


「お料理の方は、帰り次第準備いたしますが、それでよろしいでしょうか?」


窓の外をぼんやりと眺めながら、そんな事を考えていたら、運転手の女性が話しかけてきた。


どうやら、早くもそんな時間のようである。


もちろん断る理由なんてどこにもない。


「はい、よろしくお願いします。」


「では、六時頃に全てが整うと思いますので、それまでお部屋でお待ちください。」


素直にそう答えると、時間をはっきりと教えてくれた。


今から帰れば、大体一時間近く余るだろう。


私はその事を頭の中で計算すると、また風呂に入ることを考えた。


もちろん、旅館にある風呂である。


まあ、入ったばっかりのため、少々不必要な事だと思えないもないが、それでもやはりせっかく泊まるのだから、出来るだけ早めに入っておきたい。


私は無類の温泉好きなのである。


本当は、旅館につき次第そうするつもりだったのだが、外湯めぐりの方についつい気が行ってしまい、結果として後になってしまったのである。




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