ルーナは安堵のため息を付きます
サラナームからの親書を携えて、トーカル公国に文官が帰ってきた。
公国で弟の帰りを待っていたルーナは、親善大使一行が無事なことと、そして公国が『奇跡の動力石』を得たことを知り、長い長い安堵の息を吐いた。
肺活量の限り、ゆーーーーーーくっり吐いた。
今回の功績はルーナのものになっているようだ。
しかも、サラナームから戻った文官が提出した報告書によると、今後ルーナは定期的にサラナームを訪れる必要があるらしい。
( えっ?、わたくしが? )
文官はルーナがトーカル公国にいることを知って大変驚いた。
いつの間に帰って来たのだ?、と。
そして文官は手荷物で『奇跡の動力石』を少しもらって帰って来ていた。
これでしばらくはポンプを動かすことができる。
ルーナは驚く大公と大公妃に、『奇跡の動力石』を得たのは実は自分の成果ではないことも含めて全て明かした。
当然、大公と大公妃は涙を流して二人の無謀を叱ったがトーカル公国の危機は、本当にどうしようもない状態だったのだ。
本心では公子の尽力と公子を送り出した公女の胆力を称賛した。
いつも落ち着いている宰相も、話を聞いて腰を抜かす勢いで驚愕していたが、結果オーライで、すぐに碧の鉱石の採掘計画を見直しだした。
さて問題は定期訪問の件なのだが、どうしたものか。
ルーナは再度、文官の持ち帰った親書や議事録を確認した。
「最終的に、サラナーム国の君主キーズ様は、
『トーカル公国の碧の瞳を持つ者が雷帝の作業に助力すること』
を取り交わす文面に記載したいとおっしゃっていた」と、記録にあった。
文官は当然これがルーナのことだと思い、最初の報告書にそう記載していたのだ。
なるほど。
サラナーム君主の話を正しく聞けば、定期訪問で赴くのはルーナでもルキシャでも、つまりはルキウスでも良いことになる。
文官はトーカル公国側の親書を持ってサラナームを再度訪問する。
ルーナはこの文官に手紙を一通託した。
いつの間にかサラナームに向けて国を出たと言われる、弟に宛てた手紙だ。
短編にルーナが主人公のお話を投稿しますので、そちらも読んでいただけると嬉しいです。
タイトル:公国の公女が弱っているときにいつも顔だけの年下騎士が現れます




