ギャォォォォォン(私は悪くない!!)―①―
※投稿の仕方などに不慣れなため試しの投稿です。
慣れてきたら修正していこうと思います。
「私は絶対に悪くない!!」
T都K田の駅近、コスプレ撮影でも映えるオシャレなバー。
下品なゲップの音を撒きらかしながら今日も私はタンクトップコスプレイヤーの知人相手に管を巻いていた。
この数ヶ月、私の元Switter現Zの炎上が止まらない。
理由は明白だ、コスプレの界隈には独自の「因習」があり、それを信仰する人々が群がる「因習村」とでもいうべき、要は私のアンチとなる人間たちが沢山いる。
私は去年のマンケットでこの版権エルフコスプレで念願の万バズを獲得し、超人気コスプレイヤーになってしまったが、それが彼らの嫉妬に火をつけたのだろう。私のアカウントは嫉妬の炎で燃やされることになった。
「私はこのキャラを超博に連れて行ってあげたかっただけなの!!」
コップに入った酒を飲みし、空いたグラスと自分の顔面をまるで叩きつけるようにバーのカウンターへと押し当てる、私のコンプレックスである整形もした豚鼻ちゃんがカウンターへと押し当てれてひしゃげていく。
私と版権エルフちゃんコスとの物語は、私がコスプレイヤーとして失意のどん底にいたときに始まった。
もう30歳も近く、体型も崩れたオーク顔の私。加工や整形でごまかしてきたものの、流れる時間ともちあわせた才能にはどうあがいても敵わない。
若くて美人というだけで他のコスプレイヤーがもてはやされる中、豚鼻で加工が必須の私は彼女らのそれに敵わないのはうすうす感じてはいた。
けれどイベントでもちょっと私が目立つように立ち振る舞ったり、周りを押しのけたり、遅刻をしたというだけで、彼女らや参加者は私の溢れる魅力に嫉妬して攻撃をしかけてくる。
私は皆に言いたかった"みんなのコスプレも素敵だよ!"”みんなで仲良く空間を作り上げようよ”"嫉妬なんて醜いだけだよ"だけど周りの嫉妬の炎が収まることはなかった。
私は正直、憔悴していた。
そんな時、私がとった自分のコスプレ写真の中の版権エルフちゃんが私に笑いかけてきた。
私は思った。
本物だ―
本物の版権エルフちゃんだ―
版権エルフちゃんが笑ってる。
私に対して笑いかけている。
私は思った、本物だと感じる心があったら、それはもうコスプレでも二次創作でもない。
その人にとってそのコスプレは一時創作と同じ”本物”なのだ。
某ネズミの国でも感じた"学び"がそこにはあった。
決してそれは私のエルフちゃんコスプレがマンケで大受けして、その快楽が忘れられなかったからではない。私はその一枚の写真に"本物"を見出したのだ。
そして、私は思った。
あの国際的なイベントに、版権エルフちゃんを連れて行ってあげたい!
それは決して自分がバズりたいためではない。
純粋にこの子を万博に連れて行ってあげたいという気持ちからだったと思う。
けれど、この考えが私を地獄へと突き落とすことになったのだ。
※実在の人物、団体は一切関係ない「豚乃ハナ」という架空の人物です。
ご了承ください。