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─運命の旅路─  作者: 夢乃
第五部 小アルカナ編:ペンタクルの王国 ― 実りと現実の章
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第十四話 大地の王(King of Pentacles)

 実りの城の玉座に、ひとりの王がいた。

 名はドラン。かつてこの地に裸一貫で現れ、すべてを積み上げた男。


 「旅をして、手に入れて、そして最後に残ったのがこれだ」

 彼が差し出したのは、ひとつの傷ついたペンタクル。角は欠け、表面もすり減っていた。


 「これは……?」


 「若い頃に拾ったやつさ。もう価値はない。けどな、これが俺の“原点”だ」


 ドランは語る。

 豊かさとは持つことじゃない。持ち続け、活かし続けること。

 そして何より、“誰かの未来に繋げること”だと。


 「君が歩いてきた道は、もう君だけのものじゃない。見ている者がいる。そのことを忘れるな」


 レオは静かにうなずき、ボロボロのペンタクルを両手で受け取った。

 それは旅の集大成。生きてきた証そのものだった。

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