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─運命の旅路─  作者: 夢乃
第五部 小アルカナ編:ペンタクルの王国 ― 実りと現実の章
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第十三話 抱く者の庭(Queen of Pentacles)

 緑あふれる館の庭、温かな光の中で、優雅な女性が小さなペンタクルを膝に抱えていた。

 名はエリシア。自然と共に生き、与えることで豊かさを増やす女王だった。


 「この地はね、誰かのために育ててこそ実るのよ」


 レオは思わず問い返す。

 「自分のためじゃ、ダメなんですか?」


 エリシアは微笑む。

 「自分を満たすのも大切。でも、その実りを分けられる心こそが、“真の豊かさ”を呼ぶの」


 ペンタクルは、ただの報酬でも貨幣でもない。

 それは心の余白と、他者を思う力の象徴だった。


 レオは草花に囲まれた庭を見渡した。

 そこには“足りている”という、満ち足りた空気が広がっていた。


 与え、支え、育てる者の姿――それは、強さではなく“優しさの完成形”だった。

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