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─運命の旅路─  作者: 夢乃
第五部 小アルカナ編:ペンタクルの王国 ― 実りと現実の章
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第十話 継がれる屋根の下(Ten of Pentacles)

 石造りの家。三世代がひとつ屋根の下で暮らしていた。

 祖父は知恵を語り、父は働き、子は遊び、母は笑った。そこには、なんの特別もない、けれどかけがえのない営みがあった。


 「積み重ねるってのは、目に見える“形”を超えて、心に残るものなんだよ」


 そう語ったのは家の長、バルド。レオの前にペンタクルの刻まれた家系図を見せる。


 「これは俺たちの“軌跡”だ。土地に根ざし、名を継ぎ、想いを渡してきた」


 レオは静かに頷いた。

 誰かが積んだ礎の上に、次が生まれる。それは過去の褒章ではなく、“未来への橋”だ。


 バルドは少年の手を取って言う。

 「この家がそうだったように、いつか君も“土台”になるんだぞ」


 そこに剣も魔法もなかった。だが確かに、“力”があった。



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