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─運命の旅路─  作者: 夢乃
第五部 小アルカナ編:ペンタクルの王国 ― 実りと現実の章
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第九話 実りの庭(Nine of Pentacles)

 陽の射す丘の上、広大な庭園にひとりの女性が佇んでいた。

 彼女の名はナリア。かつて旅人だったその人は、今ではこの地の守り人として暮らしていた。


 「この庭はね、私が十年かけて育てたの」


 レオは目を見張った。手入れの行き届いた木々、果実をつける枝、風に揺れる花。

 それは単なる“景色”ではなく、彼女の人生そのものが刻まれていた。


 「ひとりでここまで?」


 「ええ、でもね、ひとり“だけ”じゃない。季節、陽射し、雨、すべてと一緒に育てたの」


 ナリアの目は優しく、そしてどこか誇らしかった。

 レオは思う。努力が報われる瞬間とは、たった一度の“成功”ではない。


 それまでのすべてを慈しめる心――それこそが“本当の実り”なのだと。



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