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─運命の旅路─  作者: 夢乃
第五部 小アルカナ編:ペンタクルの王国 ― 実りと現実の章
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第七話 育つまでの時間(Seven of Pentacles)

 畑に立つエルドは、鋤を置いて腕を組んでいた。

 種を蒔いてから数日。芽はまだ出ない。けれど、彼はじっと見つめていた。


 「焦っても芽は出ねぇ。けど、何もしなきゃ何も変わらねぇ」


 レオは隣で座り込み、土の中を見つめる。

 「やった分、すぐに結果が見えたら楽なんだけどな……」


 エルドは笑う。

 「楽じゃないから、出たとき嬉しいんだ。それが“実感”ってやつだ」


 空は曇っていた。雨が来るかもしれない。

 それでもふたりは立ち去らなかった。土の中にある“可能性”を信じていた。


 何も起こらない時間こそが、もっとも何かが動いている時。

 レオは、手のひらに残る温もりを感じながら、ただ静かに待った。

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