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─運命の旅路─  作者: 夢乃
第五部 小アルカナ編:ペンタクルの王国 ― 実りと現実の章
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第六話 与える手、受け取る手(Six of Pentacles)

 町の広場で、ひとりの男がペンタクルを手に配っていた。

 誰にでも分け与えるわけではない。よく見て、慎重に、時には与えず、時には多めに。


 「ただ渡すだけじゃ意味がない。必要な人に、必要な分を――それが“分け合い”だ」


 名はセバス。かつては商人、今は町の後援者として生きる男だった。


 レオは訊く。

 「どうして分けられるんだ? 不安にならないのか?」


 セバスは笑った。

 「昔、もらったからさ。見返りじゃない。ただ、つながってるって思えるんだよ」


 その姿に、レオは気づく。

 与える手も、受け取る手も、どちらも誇りを持っていた。


 ペンタクルは、価値そのものではない。

 “信頼の証”として、人の間を行き交っていた。

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