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─運命の旅路─  作者: 夢乃
第五部 小アルカナ編:ペンタクルの王国 ― 実りと現実の章
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第四話 手放せぬもの(Four of Pentacles)

 街の中央、立派な屋敷に住む男がいた。

 手には四つのペンタクル。ひとつは頭の上、ひとつは両腕で抱え、もうひとつは足の下に隠していた。


 「これがすべてだ。手放せば、俺は俺じゃなくなる」


 男の目は強く、だがその奥には怯えが宿っていた。

 レオは静かに尋ねた。

 「本当にそれを守るために、“世界から自分を閉じて”しまってもいいのか?」


 男は答えなかった。ただ、ペンタクルを抱く腕に力がこもった。


 「持つことは、悪いことじゃない。でも、握り締めすぎると、手は開かなくなる」


 エルドがそう呟いた。


 レオは思った。持つことの価値は、それをどう“活かすか”で決まる。

 持ち続けるために、手を離すことも必要なのかもしれない。



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