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第七章 選択の岐路 ― 6 恋人たち(The Lovers)
森の奥、花咲く小道の中央に、美しい二人の男女が立っていた。光に照らされ、まるで楽園にいるかのように見える。
「君の旅は、ここでひとつの選択を迫られる」
そう語ったのは、空から降り立った天使のような存在――エルと名乗った。
「左は安全な道、右は未知の試練の地。どちらも、君が望めば行ける」
レオはふたりを見て、そして自らの足元を見る。自分の歩いてきた道は、もう戻れない。
「俺は、選ぶ」
自分の意志で、自分の未来を。
「ならば、その選択を抱いて進め。迷いは恐れることではない」