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─運命の旅路─  作者: 夢乃
第五部 小アルカナ編:ペンタクルの王国 ― 実りと現実の章
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第一話 実りの種(Ace of Pentacles)

 朝露の残る畑の真ん中に、小さな穴が掘られていた。

 その中心には、金色に輝く“ペンタクル”――五芒星の刻まれた種のような硬貨が、そっと置かれていた。


 「それは、願いじゃない。始まりだ」


 エルドがそう語る。土に手を突っ込み、丁寧にそれを覆う。

 「願うだけじゃダメだ。蒔いて、待って、水をやって、それでも芽が出るとは限らねぇ。けど、それでもやる。それが“現実”ってもんだ」


 レオは手を汚し、彼の隣で土をかぶせる。

 火のような衝動でも、水のような情でも、風のような理でもない。

 これは、ただ“積み重ねる”という行為だった。


 「育てるってのは、信じることだ」

 エルドの言葉が、心の中に静かに根を張った。



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