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─運命の旅路─  作者: 夢乃
第四部 小アルカナ編:ソードの王国 ― 風の章
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第十一話 風の観察者(Page of Swords)

 丘の上に、風見鶏のような少年が立っていた。

 剣を抜きはしない。ただ、風の動きに合わせて身を傾け、静かに空を見上げている。


 「風ってすごいよ。声がなくても、たくさんのことを教えてくれる」


 名はスピア。知識を愛し、あらゆることに“なぜ?”と問いかける少年。

 その剣は実戦のためでなく、思考の延長として手に取られていた。


 「考えるって、誰かを切るためじゃない。自分を知るための手段なんだ」


 レオはその姿に、かつての自分を重ねる。

 感情のままに進んできた旅。だけど今は、風のように静かに見つめる目がある。


 スピアはにこっと笑った。

 「観察するって、剣より鋭い力になるんだよ」


 風が吹き、少年の髪が揺れた。彼の眼差しは、未来さえも読み取るかのようだった。

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