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─運命の旅路─  作者: 夢乃
第四部 小アルカナ編:ソードの王国 ― 風の章
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第三話 折れた誓い(Three of Swords)

 広間の中央に、三本の剣が突き刺さった石像があった。

 それはかつてこの国を治めた王の姿。胸を貫く剣の一本は、彼の忠臣のもの、もう一本は愛する者のもの、そして最後の一本は――自らの手によるものだった。


 「……どうして、自分で心を斬ったんだ?」


 レオの問いに、レクスはただ静かに言う。

 「信じていたからこそ、傷は深くなる。だが、その痛みは裏切りの証ではない。“信じた証”でもある」


 レオは剣の柄に手を伸ばした。冷たく、重く、そしてどこか温かい。

 引き抜いた瞬間、像の目からひとしずくの涙が流れ落ちた。


 痛みは癒えぬまま、記憶となって残る。

 だがそれは、斬られた心の奥にある――“真実の愛”だった。

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