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─運命の旅路─  作者: 夢乃
第四部 小アルカナ編:ソードの王国 ― 風の章
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第二話 二つの静寂(Two of Swords)

 崖の上に、目隠しをした女戦士がいた。両手に剣を持ち、交差させたまま動かない。

 風は止まり、音ひとつしない世界の中で、彼女は静かに立ち尽くしていた。


 レオは声をかける。

 「何を待ってるんだ?」


 女戦士は答えなかった。だが、彼女の足元に刻まれた円陣が語っていた。

 ――これは、内なる選択の儀式。


 「選ぶとは、どちらかを否定すること。でも、否定だけでは何も得られない」


 風が一筋、レオの頬をかすめた。

 自分もまた、選ぶことを恐れていたのかもしれない。


 女戦士がゆっくりと剣を下ろす。

 「答えは静寂の中にある。騒がしい時ほど、自分の心に耳を澄ませ」


 レオも目を閉じた。心が沈黙と向き合った時――、風は再び動き出した。

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