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─運命の旅路─  作者: 夢乃
第三部 小アルカナ編:カップの王国 ― 水と感情の王国
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第十四話 王の涙(King of Cups)

 水の王宮の最深部。静かな海の玉座に、穏やかな瞳を持つ王がいた。名をセレイオス。

 その身には鎧もなく、ただ心の深さを映すような沈黙を纏っていた。


 「感情は、波のようなもの。制御するのではなく、共に漂うことを学ばなければならない」


 レオは問う。

 「強さって、感情を抑えることじゃないのか?」


 セレイオスは首を振る。

 「抑えるだけでは心は枯れる。受け止め、委ねる強さこそが、真に人を導く力だ」


 王は自らの杯をレオに手渡した。中には静かに波打つ水があった。


 「お前はよく流れた。傷つきながらも、深く潜ってきた。今こそ、その水を次の地へ運びなさい」


 レオは深く礼をし、杯を胸に抱いた。

 こうして、水の章は静かに幕を閉じた。

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