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─運命の旅路─  作者: 夢乃
第三部 小アルカナ編:カップの王国 ― 水と感情の王国
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第二話 揺れる選択(Two of Cups)

 川のほとり、倒れかけた木の下に、ひとりの青年がいた。名はノア。

 彼は静かに二つの杯を手にし、そのうちのひとつをレオへと差し出した。


 「ひとりで歩いてきたなら、そろそろ誰かと火を分け合ってみないか?」


 レオは一瞬ためらう。だがノアの瞳には、利害も、損得もなかった。ただ、信頼という名の無防備なまなざしだけが、そこにあった。


 杯と杯がふれあい、静かな音を立てた瞬間、心の奥に柔らかな波紋が広がる。

 「こんなふうに、気持ちって……重なるんだな」


 ノアは微笑んだ。

 「心は、閉じてるときより、開いてるときのほうが強いんだぜ」


 その言葉に、レオの胸に灯った杯の水が、ゆっくりと温かさを増していった。

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