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─運命の旅路─  作者: 夢乃
第三部 小アルカナ編:カップの王国 ― 水と感情の王国
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第一話 揺らぎの始まり(Ace of Cups)

 霧の立ちこめる湖畔。水面は静かで、どこか神聖な気配を帯びていた。

 レオが一歩踏み出すと、波紋が広がり、湖の中央からゆっくりと杯が浮かび上がる。透明な水を湛えたその杯は、まるで心の中に直接語りかけてくるようだった。


 「それは、“感情の源”」


 そう語りかけてきたのは、薄衣をまとった女性――ミレナ。湖の巫女だ。

 「喜びも、悲しみも、愛しさも……この杯から流れ出るものなのよ」


 レオは恐る恐る、その水に指を触れた。

 冷たく、柔らかく、どこか懐かしい――そして、胸の奥で何かが溶けていくのを感じた。


 「旅を続けるなら、心を閉ざしちゃいけないわ」

 「でも……傷つくのも、怖いんだ」


 ミレナは微笑んだ。

 「傷ついたとしても、感情は決して消えない。形を変えて、あなたの力になる」


 レオは杯を手に取り、そっと抱きしめた。

 こうして、心の旅が始まった。

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