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─運命の旅路─  作者: 夢乃
第二部 小アルカナ編:ワンドの王国 ― 情熱と創造の地
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第十話 燃え尽きる夜(Ten of Wands)

 山を越え、谷を抜け、塔の最奥に続く最後の道。

 レオの背には、十本の杖が重くのしかかっていた。


 「……重いな」


 けれど、その重さの一つひとつが、彼にとっては“誇り”だった。

 過去の選択、出会い、戦い、涙。そのすべてが、この背に刻まれていた。


 「捨てるなんてできない……これが、俺の旅なんだ」


 足元は揺れ、膝も震えていた。それでも、前に進む。杖がずり落ちても拾い上げる。


 誰が見ていなくても、どれだけ時間がかかっても。

 やがて彼は、塔の頂にたどり着いた。息も絶え絶え、汗まみれで。


 けれどその瞬間、空に火柱が昇り、すべての杖がひとつの炎に変わった。

 それは“意志の結晶”。燃え尽きた先に残る、揺るぎない魂だった。

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