表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
─運命の旅路─  作者: 夢乃
第二部 大アルカナ編:アルカナの導き
3/82

第三章 沈黙の神殿 ― 2 女教皇(The High Priestess)

 白い霧に包まれた森を抜けると、静寂の中に神殿が現れた。石造りの回廊、白と青の布が揺れる。


 レオが中に足を踏み入れると、冷たい空気が頬を打った。神殿の奥、祭壇の前に立つ一人の女性。


 「あなたが来るのを待っていた」


 静かな声だった。彼女の名は、アレティア。深い紺の衣をまとい、その手には一冊の古書――トーラーを抱えていた。


 「あなたはこれから多くを知ることになる。けれど……知るだけでは、真実には届かない」


 レオは眉をひそめる。


 「じゃあ、何が必要なんだ?」


 アレティアは微笑んだ。


 「静かに、心の声に耳を澄ますこと。知識とは、内から湧き上がるものでもあるのよ」


 祭壇の前に咲く月草の花が、わずかに揺れた。


 「直感を恐れてはならない。目に見えぬ真実も、この世界には確かに存在するのだから」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ