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第二十一章 世界の輪 ― 21 世界(The World)
大きな門の向こうに、果てしない空間が広がっていた。
中心に舞う一人の女性。名はノイア。その舞いは四つの元素――火、風、水、地をたゆたわせ、空間すべてを抱いていた。
「ようこそ、旅人。あなたは、すでにこの世界の一部」
レオは立ち尽くす。旅の始まりから今まで、すべてが走馬灯のように脳裏をよぎった。
「君が歩いたその足跡が、今、世界を満たす」
ノイアが舞うたび、空が広がり、星々が輝く。レオの胸の奥に、ひとつの感覚が満ちていった。
「これが……すべてだったのか」
「いいえ」ノイアは微笑んだ。
「これが、“新しい始まり”」
光が満ちる。レオの魂が、世界の中心とひとつになった。