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第二十章 目覚めの声 ― 20 審判(Judgement)
空からラッパの音が響いた。目の前の地面が揺れ、白い光が大地から立ち上る。
そこは忘れられた墓標の谷。レオの前に、過去の自分が現れる。少年、迷い人、怒れる者――そのすべてが彼を見ていた。
上空から舞い降りたのは、天の使者カリオン。
「目覚めよ、レオ・フール。お前の中に眠る魂たちが、今、再び声を上げる」
レオは自分の過去を、赦した。否定も肯定もせず、ただその全てを抱きしめた。
「生きるということは、何度でも生まれ直すことだ」
カリオンのラッパが、再び空を震わせた。