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第9話 ドゥリーマーシルド!!

 赤の地にうす赤い空白いモヤが周囲を覆う。鏡のセカイではありふれた景色に望鏡者3人、何が起こるか分からない戦いははじまっていた。


「フレイムフェンス」


 空から来る白トンボ部隊、出力空へと古杖でスイングし飛ばされた縞模様の赤いメロン玉は途中で開きフレイムフェンスは発動し炎の格子に獲物を絡め取り焼き堕とした。


 味方の陣に寄ろうとして来た地のカラフルな大蛙の部隊に銀のブーメを投げつける1、2と斬殺。勢いは落ち3、4は跳び反応。


 気力と貸し出された魔力を操作し、背のホルダーへと戻った黒兎のブーメ。


「ちょっとはやい魔術師アイ」


「たしかに速いなだが魔術師アイ!」


「アレンジイメージ想定済みシルフブレードⅦ」


 掲げた古杖からイメージ収納されていた白緑の円盤は出力されてゆっくりと敵の元へと向かっていく。


 魔術師アイはすぐさま得意の炎魔術右の手銃を乱れ撃つ。連射力重視の熱線は地に突き刺さり蛙のガミ達は思わず反応、逞しい後ろ足の力で宙へと舞い。


 ざんっ。


 突如速度を速め急襲した風の円盤に腹を抉られ、滅。


「跳ねてから斬ればいい、遠慮なく跳ねさせろ!」


「これが魔術師アイ様、黒兎様……」


 魔術師アイのアレンジ風魔術は跳び跳ねる者に反応し高速で刻むイメージ構築。


 シルフブレードⅦとブーメ、炎魔術の熱線による望鏡パーティー紅ノ瞳の連携により華麗に跳び避けては斬殺、地上の蛙の群れは効率的に葬られた。


「お疲れ様です素晴らしい魔術に見事なみたこともない武器を器用に」


 魔術師アイの注文により後ろで2人の戦い方を観察していたサティは彼らに歩み寄り。


「はは、これぐらいならな黒うさ」

「笛の音来てる魔術師アイ」


 ぴくりと反応し立てた黒耳、紅い瞳、指で指し示す方向でしずかに。


 モヤはまだ晴れない。白モヤから何かが宙を泳ぎ近づいて来る、群れを成すようにこちらに。


「ナニかしらねぇが迎撃だ!」


 遠距離は魔術師のレンジ、熱線を放ち、宙を泳ぐ敵を撃つ。貫かれたガミたちは小爆発を起こし滅されていく。


 アレンジはせず全てをシンプルに葬った。


 やがて白モヤに大きなシルエットが浮かび上がり。見えてきた巨体。


 今はっきりと3人の前に見える巨大な黒蛙。四足歩行で姿を見せるや否や立ち上がり横笛で奇妙な演奏を開始した、光りどこからか召喚されるように現れてくる赤いお玉杓子群。


 先程アイが葬ったやつらであった。



「おおきな蛙」


「さっきのはお玉杓子みたいですね」


「はっ……敵ながらナイスアレンジだ」


「言ってる場合?」


「じゃないな、特攻してくるぞ!」


 既に古杖から出力した岩塊を杖でライナー性にヒットし宙を泳ぎこちらへと向かって来る部隊をカラフル爆破で殲滅。


 ひび割れた岩塊から漏れ出た多属性金平糖手榴弾が敵を撃つ。


 


 魔術師アイの撃ち漏らした敵を銀のブーメは確実に捉えていき近付けさせない。


 だが横笛の演奏がつづいている、召喚され続けていたお玉杓子軍団は対抗してかカラフルに種類分けるように彩り。多属性の自爆を見せ、飛び散る氷の針、乱雑に飛び交う風の刃。


 慌てて土魔術で赤土壁のシールドを高速のイメージ構築、出力。弧状に構えた壁が敵のごちゃごちゃデタラメな自爆攻撃を防ぎパーティーを守る。


「ふざけんなぁ! あっぶねぇ」

「まだ来てる!」


 爆音が鳴り響く中で聴き分けた。


 するりと壁を沿い抜け、上から左右からかしこいカラフルお玉杓子は見えていた時より速度を上げて肉薄。


 土壁を作ったのが仇となったのか。黒兎の察知により慌てて固まっていたパーティーは回避行動に移ろうと。


「動かないでしゃがんで」


 深緑色の制服はいつも見慣れている。銀髪は靡き畳んだ右腕を防御姿勢で掲げる。


 装備していた小さな黒紫の円は扇子を開くように一瞬で華開き。


「ドゥリーマーシルド!!」


 いつものような優しい声ではない、叫ぶ。


 土壁は崩れ鮮やかな爆発に呑まれていき。お玉杓子部隊の自爆特攻により地は丸く抉られクレーターを成す粉塵が舞いむせるような白煙が天へとのぼる。


 やがて見えてきた紫色のオーラは3人を包み妖しく輝いている。


 咄嗟にしゃがみ指示通りに動いた2人はバクバクと心臓を鳴らしその背を唖然と見つめ。


「私はこれしか使えません。盾使いサティよろしくお願いします!!」


 右腕を地に払い白煙をかき消す。大きく拡張した黒紫色の特別なシールドと技はパーティーを守り切った。


 不意にデリケートな耳に入った粉塵を耳を叩き払い落とす。黒兎は、ふぅーーーー、と長く息を揺らし吐き。


 窮地を救われ古杖を支えに立ち直った金髪はワラいその後ろ目を見つめ返した。


「銀髪の盾使いそれは……はははナイスユニークだ」

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