ちょっと一休み ~ギルマスの苦悩~
俺の名前はグリアルド・ドルダックス。三大公爵と言われる、ドルダックス公爵家当主だ。いつもは公爵としての仕事をしているが、時間が空くとゼリアルズのギルマスとして動いている。これでも俺、元ゴールドだったぞ。今は知らないが。まぁ、本当は冒険者の方が性に合ってるし、ギルマスをしてるといろんな情報が入ってくるから国王陛下から内密に許可は取ってある。
いつもの様にギルドに来て仕事をしていると、そこら辺の冒険者なんかよりも確実に強い気配がギルドに入ってきた。しかも時間がたつごとにピリピリとした威圧感が強くなっている。…今、町にシルバーはいないはずなんだが……。
気になって1階に降りてみると、プラチナブルーの髪をした15歳ぐらいの女が受付でギルド職員ともめていた。
話を聞いているとどうやらその子供が強そうに見えないからとギルドの試験を許可するのを渋っていたら、威圧されて、喋れなくなっているようだ。まったく……。
結局、俺が間に入って試験を引き受けることになった。
でも、驚くのはまだまだこれからだった。名乗ってもいないのに俺の正体がわかったし、普通の冒険者でも狩るのには苦労する魔物を大量に仕留めていた。しかも、そのほとんどがSからFまであるランクのC以上ときた。しかも、王に仕える宮廷魔術士団でも自トップに近い実力者しか扱えない空間魔法を軽々と使い、魔力に左右される空間は、まだまだ入りそうなくらい大きい。ほんと、何者なんだこいつ。また苦労が増えそうな予感がする。はぁ……。
そんなことがあった後、試験をすることになった。
そいつともめていた受付嬢、アンナに試験管を頼む。だが、試合が始まった瞬間、パアァァンと何かがはじけるような音がしたと気づいたときにはもうすでに何mも吹き飛ばされていた。
何があったんだ?!
今の攻撃に殺傷能力はないみたいだが、意図して付けなかったんだろう。しかも、この子供、回復魔法も使っている。怪我はしなかったが、頭痛が酷くなってきたぞ。
「あの魔法は、私のオリジナルです。……即興の。まぁ、膨大な魔力を圧縮してバネのようにしたんです。…もうこれ以上はしゃべりません、秘密主義なので。言っておきますけど、これくらいの秘密はまだまだ甘いですよ?」
目の前の子供はそういった。言ったいまだどんな秘密があるんだ!!しかも、今の言葉も気づかれていないと思っているようだが‘即興の’っていったのはちゃんと聞こえたしな。
それとあの女―――ステラクルムはマナーのスキルを持っていたようだ。俺の見覚えのない子供だったが、平民であそこまで礼儀正しくできるやつはいないからな。
ったく、ギルマスの仕事があるのに早く俺のランクを調べないといつまでたってもあの子供がギルドカードを持てないからな。
今回、初めて主人公と第三者視点以外で話を作りました。
因みに、この世界では魔術師と魔法使いは同じ意味を持っています。つまり、魔術士は魔法使いの言い方を変えただけです。
あと、第2章―3,5,6の従神の意味を間違えていたので眷属神に変更しました。




